ゲーム「Civilization」で一般的に知名度が高いスタジオ・フィラクシスが世界に誇るターン式タクティカルストラテジーゲームとして「XCOM」というタイトルがある。「Civilization」が文明・国家に焦点を当てているのに対して、「XCOM」はエイリアンとの闘いに身を投じる国際機関に焦点を当てているのがコントラストになっており、双方ともにフィラクシス開発IPの代表格といえる。
そして、この「XCOM」の系譜に属するタイトルとして「Xenonauts 2」のリリースが2023年に予定されている。こちらの開発は前作「Xenonauts」と同じくGoldhawk Interactiveが手掛けるもので、いわば、「XCOM」クローンという位置づけのリスペクトゲームである。国内のゲーム系メディアで、「Xenonauts 2」について報じているのはゲムスパとdoope!ぐらい。前作「Xenonauts」はそれほど国内では話題にはならんかったタイトルだが、この度紹介させていただくように、続編が作られる見込みとなっている。
「Xenonauts」ではパブリッシングもGoldhawk Interactiveが手掛けていただけに公式なローカライズはなかったが、この度の続編「Xenonauts 2」では、各国語対応に定評のあるHooded Horseがパブリッシャーとなっている(Steamに記載がある通り日本語実装も予定されている)。この辺りの会社がらみの話題はAUTOMATONに詳しいので、気になる方は参照してほしいと思う。
さて、「Xenonauts 2」はゲームの内容として、けっして新作であるわけではない。あくまで前作「Xenonauts」のリマインド作として作られることが明らかになっている。ベルリンの壁崩壊が起こらなかった世界線にて”未知の恐怖である外来生物体に対して決死の防御戦を挑む…”という話の大まかな筋は前作と共通していて、タクティカルターンベースストラテジーとしての設計の基礎も変わっているわけではないらしい。だが、ベース拠点をグラフィカルに「XCOM」風に改善したり、ミッションや敵のバリエーションがより豊富になったりと、前作よりもパワーアップしたマルチワールドが楽しめると、上述のゲムスパのリンク記事は伝えている。全体的に言えば、「XCOM」本家に近くなったデザインと細やかな点でより個性的になっている,,,というところだろうか。
実はクラファンサイトKickstarterで開発費を募っていたタイトルであり、半日で700万円の支援額を超えて、最終的には3000万円の支援額も超えている、海の向こうではけっこう有名なIPらしい。ただ、日本人のコミュニティ―の中では、「XCOM」やそのクローンタイトルはそれほど人気があるわけではない。つーすけ教授による「XCOM」実況プレイがネット界隈で大分話題になったぐらいで、むしろそのクローンIPである本作にはあまり注目は集まっていないというのがあたしなりの意見。
高難易度でタクティカルな要素を最大限強めた、ダイスロール(確率的)ゲームの傑作であることはコア層を中心に誰もが認めることだろう。国内ではあまり強い系譜・強いIPとは言えないだけに何か突破口が見つけられたらば,,,そのときは多くの日本人ゲーマも、本作の真価を知ることとなるかもしれない。