随分と前、このページで以下のような提起をしたことがある。
疑問なのは特殊な清涼飲料水メーカで世界一ニを争うレッドブルがなぜこれほどまでにウイイレ(PES)に強力な広報バックアップをするかといったことだ。これははっきりいって大きな謎や。私見では、おそらく独自の広報スタイルを保つため、世界第二位に甘んじているウイイレに”あえて”肩入れすることが企業戦略にあっているから…ということだろうと考えられる。
う~ん、たしかにそうだ!でもね、この提起はモノゴトの根幹を無視していると言わざるを得ないっす。なぜか?それは、そもそもなぜレッドブルやモンエナといったエナドリ勢がe-Sportsに関わっているのか?ということを無視してるから。なぜe-Sportsとエナドリ業界とは親和性が高いのか?このことを明確に説明したsourceってのはそもそもネット上を検索してみてもなかなか存在しない…。はっきり言っておくが、これは相当の難問だと思う。エナドリ勢のような高級なグローバルブランドメーカが、無計画にe-Sports業界を支援するわけがないので、あくまでマーケット計画に沿ってそういうことをしているはずなんだよな。これは間違いなく言える。そしてその内実を大まかに説明しているのが以下の三つのウェブページだ。ただ残念なことにこれらのページにおいても明確な答えが呈されているとは正直言えない。ちょっとでもこの疑問を紐解けないか?という検証が必要なんだよな。んだもんで、これらを自分なりの考え方も踏まえてまとめてみる。
[1]The Relationship Between Energy Drinks and Esports | HackerNoon
[2]5 Reasons Why Professional Gamers Need To Have Energy Drinks – PowerUp!
[3]Why Do Gamers Drink Energy Drinks? Boost Chart Included (2023) – Raise Your Skillz
まず、筆頭の理由に挙げられるのが選手へのパフォーマンスに関するエナドリの好影響だろう。e-Sportsは高い集中力が求められる業界だから、カフェインとか配合物にe-Sportsとの相乗効果を得られるような科学的根拠のある飲料でなければならない。そうでなければそもそもエナドリがe-Sportsに必要な科学的理由が存在しないということになる。単にカフェインなどの化学要素の摂取に専念するのであれば、おそらくそれはエナドリでなくてもかまわんはずである。例えば、エナドリではなくても専用のコーヒやタブレットでもいいはずや。実際、これは的を得ている疑問。つまり、科学的な理由以外にマーケティング的な業界の理由が必要とされるのだ。そして[1]にはある程度、そのマーケットに関する答えがあるものの、[2]にはこの本質的答えの記載はない。
With gamers using energy drinks so much and plugging them in their streams and tournaments, more and more young people are starting to consume these drinks as well. Energy drink companies are making millions off of their sponsorships to large teams, and revenue is only continuing to grow. With 331.4 million viewers of esports each month, there is a large market of people that energy drinks companies can market to. If big name esports teams are benefitting from the use of energy drinks, so can the average gamer!
これは[1]からの引用でふ。通常のゲーマが、e-Sportsに関わるこれらの飲料水のスポンサードを受けたプロゲーマのストリームとかトーナメント参加に触発されて、将来にもっとでっかいマーケットを形成してくれるというメーカ側の計画性がある、っちゅー風に書かれてるね。しかもこれからの消費者になってくれる若者が、直に影響を受けるような性質を持っている市場である。若年層に訴えかけるマーケットがあれば、当然、その市場規模は今後世界的な人口減が見込まれる中でグローバルな環境においてよりでっかくより貴重になっていくので、e-Sports業界を支援する必然性が生まれるっつーんだね。一か月当たり3億人を優に超える視聴者を抱えるe-Sportsマーケットはそれぐらい貴重なんだそうな。
一方で、科学的な排外性を持つ意見もある。それが[3]に示されている。例えば、ソフトドリンク…コーラやペプシや単なるティー類がエナドリ以上の効用をe-Sports業界にもたらすのであれば、それはそれでいいはずだ(前述したように)。だが、そうではないという。エナドリは化学的にe-Sportsと親和性が高い傾向にある。ここで重要なのは、エナドリが決定的にe-Sportsに適した商品ではない、ということだろう。あくまでその傾向にあるということを忘れてはいけない。だからこそ、他の商品をe-Sports業界から排外する作用をエナドリは持っている(だが、もちろんこれは決定的なマーケット的理由ではなく、純粋に言うとあくまで科学的な理由である~既に上に書いたように~)。
この検証のスタートは、マーケット的な本質的理由と科学的な理由との分水嶺だ。もちろんその両側面は本来は切って切り離せる問題でもない。だからこそ、様々な斬新な試みを感じさせるゲーマ向けの飲食品市場の中でも特に奇抜なものを作っているCOMPという企業もある。この企業は新しい試みをしていて、e-Sportsプレイヤーと通常のプロスポーツプレイヤーとの垣根を取っ払って、一体化した枠組みの中で彼らをスポンサードしているのだ。こうした素晴らしい取り組みを日本のベンチャー企業が実際しているということを、日本のゲーマは誇っていいんじゃあないかな。かの世界的な食品企業、日清も重い腰を上げて動きだした。
ゲヲログ2.0では今後もe-Sportsと専用飲食品との関係性を紐解くため具体的な商品レビュー(と称した単なる食レポ)を繰り広げていく予定。乞うご期待。