ヴァンパイア系農業ローグライトACTゲーム「Voltaire: The Vegan Vampire」。かなり面白いです。繰り返しますが、かなり面白いです。いわばアストロノーカのローグライト化現代版といっても過言ではない。異世界風の世界設定も素晴らしき。
昼と夜のふたつのフェーズで構成されてるってのが基本す。昼間は、労働しながら疲労値を貯めていきます。この疲労値が100MAXまで貯まると、夜のフェーズに移行する。昼間の間、農作物を作るために、種を集めたり水を集めたり開墾したり作付けしたり(農作)する。あるいは、時として湖に住むクトゥルフに助けを求めたり、集めた木や石を使い井戸を掘ったりもする…これが昼のフェーズの大まかな構成ですね。夜フェーズではタワーディフェンスして、襲ってくる敵から家や畑を守る。XP貯めてレベルアップしていくと、新たな能力(スキル・パーク)も付与される。総じて、計画的なリソース管理が求められます。かなりシビアに交絡している要素要素をうまく使い分けやりくりするので、最適解が見つかりにくく様々な√取りができる…というのがゲームのミソなようです。
実はシステムはこれだけじゃあないんです。例えば、スキンの交換(これはたぶんWardrobeです)もできるし、能力付与の再配置(Reliquarium?とかいうシステム)とか、さらには合成(Alchemyシステム)のような、交絡化しているシス構が存在する。それらのシステムが絶妙なバランスでもってしてゲームを盛り上げる要素として構成されていて、まさに”天才の作った本格的なボードゲームをリアルタイムACTでシミュレートしている”ような印象さえ受けさせます。ちょっとさわっただけでもわかるけど、マジで神ゲーです、ハイ。これ名傑作の類なのに、なんであんま売れてないんだ?って感じ。いずれ爆発的に売れるでしょう(間違いなくかの傑作ドンスタを優に凌ぐシステム系を持っているゲームっすね)。
昼フェーズで重要な点は冒頭挙げさせていただいたのですが、さらには、畑で育成する作物をどう取捨選択しどこで育成するか?ということも重要です。というのも栄養価の高いものをうまく作るにはコツがいるのです。もともと単純な作物の組み合わせでは良い疲労値の回復は臨めないようです(たしか英文にそういう記載があったはずですが、勘違いだったらすんません)。また、どの場所の畑にどの作物を育成するか?どのパターン的配置で育成するか?という、夜の防御フェーズでの再考慮点も多々あり、農作システムだけでは語り切れないそれなり複雑な構成になっているのです。だから言わせてもらいましょう。本作はまさに『ローグライト化した現代版メタ・アストロノーカ』なのです。
夜フェーズはタワーディフェンスの要素が強い。かの名作アストロノーカにおいてでさえ、ある種、バブーvsトラップシステムという構図はタワーディフェンスの要素が強かったことを思い起こさせます。ゲーム「Voltaire: The Vegan Vampire」では、リアルタイムACT系のゲームとして外敵と適宜対峙しなければならないので、戦略性が高く、単なる最適解を求める形式のタワーディフェンスとは一線を画しています。例えば、畑を守りながら家を守る一連の夜フェーズの中では、畑の中心に位置しているクリスタルを起動するとある程度の強度を持つバリアが発生したり、サモンスキルを手に入れたらば、うまくそれを配置したり、そもそも自キャラの攻撃の強化についてでさえかなりの工夫考慮が求められる…と、忙しいにもほどがあるだろ!っていう。繰り返しますが、単なるTDゲームだったら本作は神ゲーじゃありません。そうではないからこそ、本作は神ゲーなのです。
このゲーム、前述したようにシステムが特に素晴らしいのですが、グラフィカルな工夫点も見逃せません。いわば異世界のデザインっていうのを洋風にアレンジしている点が多々あるとあたしは感じました。例えば、ヴァンパイア要素・萌え要素・カワイイ要素…今主流の転生系の亜種デザインとでも言うべきような特殊なデザイン構成を多面的に持っている。まさにプレイヤーとしては異世界の中に飛び込んだような印象を受けざるをえない。それらグラフィカルな要素が上手いことシステム系にくい込んでいて、ぶっ飛んだ無理なゲームデザインにはなっておらず、統一性もある。バランス感覚が凄いんだよね、このゲームは。昼と夜のフェーズをなんとか数回凌いでいくと、個性的なデザインを持つボスも出現します。まぁ現段階ではボス本体を速攻で叩く方法が一番いいような気もしますが、本作はこれでもEAタイトル、脱出し本発売に至るころにはどういったゲームの表情をPに提供してくれるか、という点も興味深い茄子。
※これはあたし自身がわからなかった点であって、開発が悪いわけではない、ということは前もって言わせていただきます。というのも英語しか現段階で対応してないので、いまいちその言語理解の関係上・あるいは試遊プレイの都合上分からなかった、ということです。
ずばり、どこにローグライト要素があるのか?というのがわかりませんでした。自宅が破壊されると、[-50% LOOT Loss] or [-20% LOOT Loss]のどちらかをペナルティーとして選ぶのですが、これがどうやらスキルツリーの再構と関係しているらしく、この点が絶妙なゲームバランスを保つ要因になっている…ようなのです。ですが、ローグライトの勘所として、いわばローグライト宜しくの再生システムがどのようにゲーム性の豊富さに寄与しているのかという点は、唯一いまいちわかりませんでした。
結論:兎に角¥1700のうちに買っとけ!