【未だ衝撃と熱が冷めない!】「サイバーパンク: エッジランナーズ」IGN JAPANはどう評価したか? | ページ 2 | ゲヲログ2.0

【未だ衝撃と熱が冷めない!】「サイバーパンク: エッジランナーズ」IGN JAPANはどう評価したか?



・本作は、その立ち位置を総括、一言で表せば、ゲーム原作を手掛けたCD Projektとアニメを手掛けたTRIGGERとの『化学反応』に尽きる.

・多くのメディアミックス手法が失敗する中、これほど歴史的に成功したアニメ化事例はいまだかつて見たことがない.

・TRIGGERの代表作のイメージとはほど遠い印象を当初覚え、懸念を抱いたことも確かだが、その懸念を見事に払拭した.

・確かに”グロさ”が際立つ出来だが、それほどヴァイオレンスであるわけでもなく、思ったより比較的広範なファンにお勧めできる.

・ゲーム原作におけるサイバーサイコシスの現象を、うまくアニメ作品に取り上げ抽出している(むしろアニメでしかできない手法で具現化している).

・(特にデイヴィッドの)物語に”必然性”があって、ナイトシティのもたらす”宿命”をキャラ主体で上手く掘り下げることに成功している.

・最近流行りのアニメと違い、脚本性の面でも優れていて、「すべてを説明する必要がない」コア層が集うNetflixerの方向に向かった上級者用進行に特徴有.

・アニメならではのカーチェイスシーンなどお手本を押さえながら、TRIGGERの別な側面、別な人格表現も垣間見える、新境地を切り開いた点は特筆に値する.

・本作を一言で要約すると、デイヴィッドがルーシーの夢を叶えるまでの、デイヴィッドの後半生を描く、悲劇的かつ感動的な話である.

納得の高評価!これまでのトリガー作品とは違うが化学反応を起こして見せた『サイバーパンク エッジランナーズ』を語る:第257回 銀幕にポップコーン – YouTubeより要約.

端的に言ってしまえば、ゲーム原作を手掛けた側(CD Projekt)とアニメ化を手掛けた側(TRIGGER)との奇跡的な、譲歩的バランス取りの行く末にあった稀有な映像作品である。「銀幕にポップコーン」の番組内で語られた他の点の中で一番注目に値するのが、次点『物語の必然性』だとあたしは思う。

やはり、アニメ本編で描かれたことを辿ってみると、その話には宿命のような決定的な道筋が既にあり、その通りに話が進んでいることに気づかされる。そういう意味で、IGNのレビュー陣・スタッフらが語るように『たとえデイヴィッドがアラサカで成功しても同じ悲劇的な運命を辿ったはずだ』という考察、もしくは『デイヴィッドがそういった成功(アラサカで活躍する上流階級になるような成功のこと)を成し遂げるはずがない』という考察は、非常に優れていると思う。

デイヴィッドの運命は”既存状態”で決まっており、彼の行動は常軌を逸した奇跡を起こしたわけでもなんでもない。デイヴィッド自身が最後の局面でルーシーに向かって言うように『デイヴィッドには(もとから)なにもない』のである。IGNのスタッフらが言うようにオープンワールドゲームは本来線形モデルから逸脱したモデルなはずであるが、仮想補完的にこのアニメは(サイバーサイコシスの設定のような)宿命性を持っていて、それが見る側に提示されるわけだ。

いずれにしたって、アニメ史に残る傑作であることに間違いない。
小島監督がそう評したようにね。