「OMORI」はどこがダメなのか? | ゲヲログ2.0

「OMORI」はどこがダメなのか?



ハナシの始まり

と、あえて、煽り~なタイトルから入ったけど…

あたしも実は絶賛しています。素晴らしい出来です。RPGとして完成されていて、なんといってもストーリーが魅力的。音響も一流のゲームミュージックに彩られ、キャラクターもそれぞれが立っている。ゲームロールプレイの持ちがちな暴力性をあえてうまくこしらえたうえで芸術性に転化した演出面も素晴らしいの一言。加えて戦闘システムも一品の出来です。ハッキリ言いましょう、ゲーム「OMORI」は傑作です。PRTIMESも伝えるように、OMOCATというブランド的天才の作ったゲームです。ですが、穴がないわけではない。そこをあえて、あえて、「OMORI」が傑作だという事に皮肉を込めて書きます。「OMORI」がダメなところ。

【ロールプレイを前提としている分岐難易度の問題】

例えば、どこからどのアクションをした(無論、それはゲームの進行に必要な要素なのですが…)ということで分岐点ルートに入っちゃうっていう点。これはいただけない。無論あたしも「OMORI」にこの弱点をわざわざ重箱筒木のように指摘すること自体おかしいということも理解はしているのですが…このゲームはそれなり、分岐点のわかりづらさが如実に出てしまっているゲームです。ゴニョゴニョしないとこっちのルートに入れないor意図せずこっちのルートに入ってしまったなどなど…けっこうシビアです。ですのでEndを迎えるにあたり、あまりいいルート辿りではなかった…ということや、ルート全部をみたいのにその辿り方を失念してしまった…ということになりがちです。「OMORI」はそうであってこそ重層的なEndを構成していますが、この点どうにかならなかったのか?RPGの宿命とは言えども、この点だけは一番気になってしまう点です。一言で言うと、全部のEnd見るのは面倒だし、そんな時間ネェー!っていうわけ。

【戦闘システムの高難度性の問題】

これまた「OMORI」からこのことを指摘すると、『そういったらこのゲームになんものこんねーだろ馬鹿ッ!』って言われそうですが、このゲーム、戦闘の難易度は高いほうです。例えば、「OMORI」購入者の45%ぐらいしかスイートハートでさえ倒せていなく(この実績解除しているのが全体の45%のプレイヤーちゅことね☆)、やはりSteamゲーの宿命というか、本望というかw、あいにく積みゲーになってしまっているSteamerが多い、という現状は正直あります。三すくみ属性に基いたシステムはそれなり攻略難易度が高く、キッツキツなかたもしばしみかけることでしょう。もうちょっとだけでいいので、工夫がなかったもんか…とはいっても難易度設定などという、いわゆるハードモードなどの設定があっても不評を買うだけなので、これまたあたしの重箱筒木であることには変わりないのですが…(さらにボスラッシュモードは搭載されており、これは明らかに攻略性によっては親切な良いサブモードであるわけで…)

【物語の進行そのものに支障が出る問題】

これが一番のミソだと思います。分岐難易度・戦闘システムの難易度については、そうそう指摘してもあまり意味がないとは思うのですが、あたし自身ここだけはけっこう妥当なことを言っているつもりです。例えば、一定期間を挟んで、プレイを続けるのがRPGというもので、その間、なにしたっけ?なにするんだっけ?っていう状況にこのゲームはなりがちです。例えば、スイートハート戦後、ストーリーをどう進めればいいのか?すら混乱してしまい(スイートハートの開けた舞台上の大穴に入ればいいのですがw)、サブクエストに凝ってしまってこちらのほうがメインルートだっけ?っていう風になりがち。混乱しがちなんです。これは、もうちょっと工夫あったら、劇的に改善できるものだと思ってます。

例えば、漫画ならば、ある人物が主人公に語り掛けながら事実上読者に解説をするっていう手法はよくあるよね。このように別の登場人物にメイン/サブクエストの把握・物語の進行そのものに支障が出ないように、混乱しないよう、会話文を挟ませておくということは可能だった気がするのです。そうすれば、メイン/サブの判断がめっきりして、攻略Wikiを参照しなくても、メインだけを辿っていくことも可能なはず。分岐する点とは別の意味で、メイン/サブクエストの進め方そのものに理解が示す助力があったらば…「OMORI」のすばらしさに対する共感・訴求能力をもっと、より一段と奮起発揮できたのではないか?という至極フツーの疑問です。

閉メ

ということなんだけども…はっきり言って「OMORI」は非の打ち所がないゲームです。だからこそ三点だけ絞って指摘しましたが、三つ目の項以外は的外れでもあります。『それ失ったら「OMORI」じゃねえよ!』って怒られそうなぐらいです。逆に言えば、この項だけ批判は至極妥当だとあたしは思ってます。もうちょっとだけ親切さがあったら…そう思いあえてこういった煽りタイトルの記事にした次第です。S・キングの「Stand By Me」とか村上春樹の小説とか、果ては「灰羽連盟」や「フィアードライブ」との比較まで…いろいろ出来そうですが、ここはいくらでも語ることができる事項なので、今回は、その『ご立派な評論』は他の機会に譲り、やめておくことにしましょうw

とにかくあらゆるゲームの中で最高の出来であることに間違いありません!