SONYのサブスク改善策はゲームハード全般の未来 | ゲヲログ2.0

SONYのサブスク改善策はゲームハード全般の未来



PS PlusとPS Nowの”お買い得統合”

Yahoo!ニュースでSONYのサブスクについて個人ライターが事実確認をしながら、自身の意見を述べている(関連リンク:Yahoo!ニュース)。記事で述べられた事実はどのようなものだったか?まず、SONYのサブスクPS PlusおよびPS Nowの統合がSONYのサブスク改善案の目玉だという。Plus:850イェン・Now:1180イェンと価格設定してきた割高感も統合を機になくし、低廉な価格でサブスクサービスを再始動させる。一番問題なのは、特定のハードにこだわらない姿勢が求められるところだが、このライターさんもそれはこれからのゲーム事業で必須だと述べている(あたしも同意するところだ)。

SONYはゲームのPC配信に注力せざるを得ない

例えば、SONYのプラットフォーム、PS4やPS5で遊べるタイトルが、PCで未配信環境にあり、”遊べない”という状況ははっきりいってIPの不活用に他ならない。所有するIPはSteamでの販売や連携も含め積極的に活用すべきだ。かつての名作IPを不活用することは、ビジネス上の甚だ不合理な戦略である、というわけだ。考えてみても欲しいが、PSの後方サポートサービスでカバーリングできるIPがPCには含まれていないとなると、Winユーザが多数を占めるSteamerにとっては個別のハードを保有せざるを得なく、不便なことは当たり前のこと。既にSONYの注目IP、目玉タイトルがSteamにて配信されている状況にあることは有名な事実だ(関連リンク:AUTOMATON)。

Bungieは完全に”買われた”

同ライターはSONYのコンテンツの保有に関しても記事を書いている(関連リンク:Yahoo!ニュース)。BungieはMSの長年の庇護のもと、ヒットタイトルを打ち出してきたが、近年SONY傘下に入ったことは記憶に新しいだろう。PS5はマシンとしては素晴らしいのだが、売れば売るほど赤字である。つまり、任天堂の過去ハードWiiUのケースに入らなくてもいいようにIP・コンテンツを積極的に投下することが求められるのは必然である。実際、記事中でもSONYの首脳がそのようにゲーム事業をプッシュしたい、と述べていることが記されている。だが、SONYよりも潤沢な資金を持ち、融通も利く、王者Microsoftの摂理にこの試みが敵うか?というと、様々な意味で疑問符がつくだろう。

MSはWinシェアを背景にSONYのタンキモを握っている

かつてここでも説明したように、MSはタイトルの囲い込みに関してはすさまじい資金力を武器に積極投資してきた。ナディラ政権下でもそれは変わらず、社としてもゲーム事業にはさらに注力すると明言・述べている。

SONY製の汎用性のあまりないプラットフォームを基盤として、ではノウハウを発揮しにくいのでは?と感じたかたはおらぬだろうか。元々MSはCS機とWinPCを融合させていくという方針であることはゲーマの間で頻繁に語られてきた。様々なクラウド策を取り、Xbox事業のボスである、フィルでさえ、BungieのSONYによる買収策を歓迎してきたのだ。おそらくこのフィルの余裕の態度は社としての責任の範疇に問題があることを示しているようにあたしは思う。MSはValve(Steam)とも既に手を組んだ。

資本主義的相乗り卵

競合がいて、サービスが向上するのは当たり前のことだ。おそらくビジネス上の論理として、MSはこのSONYの考え方を受け入れるべきとのことがシッカと成立するのだろう。SONYがPC事業にゲーム事業を派生させればさせるほど、競合は激しくなり、しかもWindowsという汎用OSでPC市場を席捲しているMSにしてみれば、まったく恐れるものはない。まさに『王者の風格』といったところか。例えば、SONYがBungieのIPをPCで出すとしよう。利ザヤは結局のところWinでPC市場シェアを押さえているMSにまわりまわって巡ってくるわけだ。単に見かけだけの利潤ではない。いわばSONYの裏目にあるものはMSの潜在的な独占策への布石、とでもいうべき、それでいて、健全なるSONY-MS間のゲーム相乗り・競合策である。SONYの基盤はそういった意味では対応的な脆弱性をいずれ呈するものであり、MSが特に対策としてなにもせずとも~Winシェアからはじき出さずに歓迎しさえすれば~あたかもそれは”手乗り卵”のようなものなのだ。