SONYのVR機器参入からマクルーハン的拡張現実まで | ゲヲログ2.0

SONYのVR機器参入からマクルーハン的拡張現実まで



SONY「PS VR2」でVR覇権を狙い本気モード

先月7月末時点でゲムスパが報じているが、SONYが新型VR機器「PS VR2」に本腰入れている(関連リンク:Game*Spark)。ただ、苦言を呈しておくと、SONYがVR機器に再び取り組むにあたりライバルの存在はかなり大きいだろう。既に知られている通り、Oculus新型を手掛けるFBや新機種開発に積極的なValveが、当然のように主なライバルになるだろう。そこで考えてみたいのが、次世代のVRの覇権についてだ。この覇権を握るのはいったいどの社なのだろうか?ということだ。

VR機器に立ちはだかる先入観

この手のVR機器で重要視されるのが「視覚の没入感」だと俺は思う。既存のVR機器はこの没入感がいまいち足りず、リアリティを”見せられている感”が半端ない。これを解決する技術のうちのひとつが「アイトラッキング」機能だろう(関連リンク:MoguLive)。SONY・FB・Valveどの社もこのトラック機能や網膜投影技術にはこぞって技術力を凝らしている現状がある。どの社も、VRの持つ非現実性を克服するため、こぞって投資を行っているわけだ。そして、なにもトラッキングや網膜投影にエンジニアリングのアイデアは限定されることはないだろう。高額な機器ゆえの問題もある。代表格がビジネスモデルの問題だ。個人的な話だが、昔バイト先の同僚が「PS VR」なんかいらねーよwwwって言ってたのを思い出す。そもそもSONY(やVR各社)が、どのように親和性をVRを軸に打ち出すか?という根源的なイメージ戦略から問題になるのは間違いない。

ビジネスモデルの問題点

ゲームのコンソール機器はPS5も売れば売るほど赤字だが、それをソフトウェアの売上・マージンで埋めるモデルで成り立っている。VR機器はOculus値上げの件も含め鑑みても、大概そんな感じだろう。だが、ビジネスモデルの問題、とひとえに言っても難局が立ちはだかるのは目に見えている。例えば、全進行方向型VRの「Omni」はデバイスとしては画期的だが”成功した”との評価は得ていない。上述したようなVR機器の技術革新の実装にあたっては相当慎重にコトを進めないと、SONY・FB・Valve各社といえども、ひとたびバランスを崩せば、失敗する可能性も大きい。今後、VR市場が拡大するのは間違いないだろうが、その際大手の安定した企業がやれば、無条件に成功するとは限らないだろう。新しい技術革新をどのようにマネジメントするか?技術そのもののみならず、そのマネジメント・ノウハウを押さえることができる企業が、新たなVR世代の覇権を握ることだろう。

新たなるアイデア

また、MSのように身体障害者向けにデバイスを作るというアイデアもあるのも見逃せない(関連リンク:Xbox)。既存のVRだけの問題でもない、ということも重要だろう。AR(Augmented Reality:拡張現実)・MR(Mixed Reality:複合現実)というアイデアも無論有り、この問題を総合的に解決することで市場の席巻を握ろうとする試みが、今後出てくるかもしれない。思えば、MSの「Kinect」は研究者の間で実装にもてはやされた経緯があるし、任天堂の「リングフィットアドベンチャー」だって、マクルーハン的な拡張論の上で論じれば、確実に人間のなんらかを”メディア拡張している”と言えるだろう(関連リンク:任天堂)。なんだかんだ言って、一番うまくやってるのは実際のとこ、任天堂ではないだろうか?同社は一時期若干『Wiiシリーズ・不の効果』で不調に陥ったが、コンソール機Switchのリリースにより息を吹き返した。その後、”現実の拡張”をごく自然体に、ビジネスの趨勢の中で取り行っているように、俺には思えてならない。