格ゲーとスプラIPとの比較に見る任天堂の愉快話 | ゲヲログ2.0

格ゲーとスプラIPとの比較に見る任天堂の愉快話



既存の格ゲーはなぜ衰退したのか?

YouTuberのみたろう氏(現チャンネル レトロゲームの真実 retro games 運営者)が2019年7月、「サムライスピリッツ(2019)」と任天堂の「スプラトゥーン」IPの比較をしている(関連リンク:サムスピ】なぜ格ゲーは過疎るのか? なぜスプラトゥーンは流行るのか? サムライスピリッツ オンラインの現状 SAMURAI SPIRITS – YouTube)。今から二年前の動画だが、的を得ている感心する出来なのでご紹介する。そして、同氏の意見か読み取れる任天堂のゲームに対する態度とはどういったものなのだろうか?まず、このつべ動画から読み取れるところをかいつまんで大体把握すると以下のようになる。

のみたろう氏によるモノ申す意見をまとめてみる

・格ゲーは強い弱いが明確なコントラストではっきりするゲームジャンルである

・自分個人レベルの問題故過疎っていく運命にある(中でも2019年版サムスピは過疎りすぎている)

・格ゲー界隈はスト2を最盛期として衰退の一途をたどっているように見える

・代わりに洋ゲーからFPSが出てきて流行りだしている

・FPSやTPSは格ゲーと違ってチーム戦でありP自分だけの責任にならないジャンルである

・任天堂のIPはよく理解を示しており「スプラトゥーン」は意識せずして格ゲーを逆手に取っている

スプラが格ゲーよりも優れている点

たしかに、のみたろう氏による、この任天堂製ゲームに対する考え方はすごく面白い点を突いているとあたしは思う。スプラIPは色で様々なところを塗る、という斬新なシステムによって楽しさを保証しているタイトルだ。つまり、強い人はFPS/TPSのノリでシューティングをバリバリ楽しめればいいし、FPS/TPSのAimで劣る人でも”いろんなところを塗る”というシステム上の立ち回りで貢献できる。同氏が指摘するように個人戦である格闘ゲームとチーム戦である別種のゲームの境目はあまりにもクッキリとしているのだ。はっきりさせておくと、後者(FPS・TPS)の方が現代の世で利点は大きい。中でも任天堂の作るゲームは特に『いつだってみんなでプレイする楽しいゲーム』というワードを標榜して憚らない。あまつさえ同じ格闘ゲームでも、ストやサムスピと違って、スマブラはその点を抑えている。だからこそハードなゲームユーザを逆に求める、非スマブラ系の格闘ゲームは衰退している、という単純な指摘は拝聴するだけの貴重な意見であるように思う。

ゲームの時代性に合致した任天堂の愉快話

この格ゲー衰退・任天堂系ゲームの興隆は、現在の世の中の趨勢とあまりに合致していると思う。ゲーム産業はまだまだ第三国を中心として伸びていくだろう。貧困層も中間層に発展的に解消され、彼らも娯楽産業セクターにアクセスできるようになっていくはずだ。全世界で見れば、まだまだゲームの持つ力はでかい。NFTやブロックチェーンとの兼ね合いもある。だが、格闘ゲームはその流れに逆行している、とまでは言えなくても、難しい立場に置かれている、ことは、のみたろう氏と口同じくして言えるのではないか?確かにスト2は神ゲーだった、今でもそれはかわらんだろう。だが、ゲーム業界は拡大し多くの人が楽しみを享受できるように発展的に解消されていった結果、ストIPも含め衰退の一途を辿っているという同氏の指摘はほぼほぼゲームの時代性に照らし合わせ合致している価値観だろう。単なる思い付き法則だのみの意見ではない。対して多くの人が楽しい時間を共有してほしいという任天堂の思いは今後のゲーム産業においても、重要なファクターになり続ける。これはFC~SFC~64の古典的ゲームの時代から始まりSwitchに至るまでまったくぶれていない社是のようなもの、否、文化のようなものだ。現状、格闘ゲームというゲームジャンルが任天堂の『ゲーマの楽しさ優先』の方針に敵うものはまったくないように思える。