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スクエニの海外IP・スタジオ売却は間違いなく正しいプロセスだ | ゲヲログ2.0

スクエニの海外IP・スタジオ売却は間違いなく正しいプロセスだ

スクエニの受難

思えば、スクエニは長い間苦しんできた。技術力はあり、たしかな人材も間違いなくいるのにもかかわらず、長年ヒットタイトルに恵まれず、『何を作ればいいかわからない』『顧客の欲しいものがわからない』という状況に落ち着いてしまっていたのだ。この流れは旧スクウェアから続く悪しき慣習のようなものであり、その最たるものが、『ゲームのアミューズメント化』だったことはあまりにも記憶に新しい。結果、エニックスに吸収され、社名は紆余曲折がありつつもスクウェア・エニックスとなった経緯がある(財務状況の観点から正確に言うとそうではないらしいが…)。これら関連情報については、かの有名な”スクウェア三大悪女”の解説元としても有名なWikiがあるのでそこに詳解を譲りたい次第だw(関連リンク:ファイナルファンタジー用語辞典 Wiki)。

流動性が高すぎるゲーム業界

あたしもファメの人づてに聞いた話だが、ゲーム会社がアミューズメント事業に乗り出して、利潤をさらに確保しようとして失敗・経営難に落ち込むのは珍しいことではないらしい。例えば、人材輩出企業として有名だったコンパイルもそうだった。ゲーム会社は流動性が高く、技術革新の応用側面の速度も速すぎるほど速い。なにもこれは日本のゲームデヴェロッパについてだけいえることではない。世界中で失敗が連鎖しているのだ。Amazonのそれに始まりStadiaを有するGoogleのゲーム事業だってうまくいっているとは言えない。かの世界最強のゲーム会社と謳われたBlizzardでさえ、MSに買収されてしまった。ショッキングなことだが、フィラクシスでさえ例外ではないようにあたしは思う。それぐらいゲーム業界は”資本主義の実験場”でもあるわけだ。

スクエニの売却策

今回スクエニについてあたしが記そうと思ったのは、彼らがほぼほぼ自力で復活してきたことを、一ゲーマとして勝手に歓迎してのことだ。あたしらは前から(ファメも含めて)同じように仲間内で言っていたが、会社を外国人経営者に任せるなど、プロフェッショナルによるスリムダウン策を行う以外解決策はないと言い切ってきた。そうして、スクエニはそれに苦肉の策として、自社IPにはあまりこだわらず海外のスタジオを支援しバックにつくことで反撃の機会をひそひそと伺ってきたと思う。この度、スクエニは長年保有してきた海外産IPや保有した海外スタジオを売却するという。その背後にあるものは何だろうか?

『選択と集中』

やはりキーとなるのは『選択と集中』である。自社製IPに回帰して海外事業(IP「トゥームレイダー」「デウスエクス」なども含めて)をSWのEmbracer Groupに売っぱらう(関連リンク:4Gamer.net)。この売却益で自社IPへの選択・売り上げの多増を狙い、NFT/ブロックチェーンやAIといった分野にも投資するというわけだ。このやり方はすごくいいことだとあたしは思う。なによりも、ここ数年で自社製のIPが劇的に復活しつつあることはもちろんのことだが、ゲームという分野の先端技術はどの民生分野・あるいは官民技術分野に発展するかはわからない。端的に言えば、三宅氏のAI事業(関連リンク:GAME Watch)がどう出るかは分からないのだ(ポテンシャルが大きいという意味で)。

自社タイトルの夢

最近のスクエニはFFリメイクやFFオンライン作に力を入れるのみならず、ドット絵をキーワードに多数品質の良いものも作りながら、自社IP復権の意義を通してきた。もう本来海外IPであるTRやDEにこだわらずとも、自社製のタイトルで勝負を世界に賭けられるだけの自力を取り戻してきたのだ。Steamを見てみてほしい。おま国タイトルは減り、CS機でこだわりを見せてきたゲームタイトルのプラットフォームスピンオフにも積極的だ。我慢してきた分、今は『顧客の欲しいゲームがわかってきた』のだ。これは海外事業に頼ったからという見方もできるだろう。事実上、優れた海外のIP・スタジオを保有することで、その思想を展開できるノウハウを蓄積してきたのだろう。

スクエニIPの復活と新規事業への取組

ドラクエIPは色を強くし、FF7を中心としてFFIPもリマスター作・リメイク作・オンライン作(聖剣伝説もその系譜に含まれる)がかなり好調だ。オクトパス・ブレイブリーのような作風からやヴァルキリーIP・タクティクスオウガIPの再活用、「The DioField Chronicle」といった挑戦野心をビリビリ感じるものを作ろうとしている。旧作の活用やその応用系にとどまることなく、NFT技術やAIを応用した分野にも投資注力をするという(関連リンク:Ledge.ai)。これぞ回帰系のゲーム会社のある形だ。和製ゲームはかつて世界を席巻した民の力だった。その血脈はいまだに途絶えておらず、ようやっと国内に回帰するタイミングだと、スクエニは判断したのだろうとあたしなりに捉えている次第だ。