「あなたもゾンビ?」
少女は一人の女性に呼びかけるとその女性は答えた。
「私は人間よ。安心して。」
「ほんとに?そういうのがうじゃうじゃいるの…」
「本当に本当よ、ご両親は?」
ひとことふたことのやり取りのあと、少女は質問に答える。
「あたしの両親はUmbrellaの科学者よ。
お母さんはお父さんを探しに行ったの…」
女性―Claireという名の―強い瞳をした女性はさらに続ける。
「大丈夫、私が守ってあげるから。お父さんはどこにいるの?」Outbreakの後わからないことがあまりにも多すぎる。
そのようにClaireは思うと、かの少女の次のか細い声を聞いてハッとした。
「パパはね…もういないの…」
Claireが”そのこと”に気がついた後、
何か心の深部で動く、元来人間だったあるものに対する疑念が生じた。
人間でもないが、怪物でもないもの。
その”もの”はつぶやくとClaireの背後に迫ってきた。「SHERRY…」
心の闇から発せられたうめき声の音。
直後、Claire Redfieldの後ろから、
まだ原形をとどめている薬指の部分に確かに指輪が光る、
少女の”かつての”父の影が、今、浮かび上がった。―その父の名Williamといったが―少女のかつての父、
Birkin家の天才の怪奇さをClaireは感じるとひとつ呟き、
コンバットナイフ片手に闇迫る自らの背後を振り返った。「何かが…やってくる…」
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