マーベラスのインディーメーカ支援プログラムiGiはインディーメーカ諸般の事情を知り尽くしている | ゲヲログ2.0

マーベラスのインディーメーカ支援プログラムiGiはインディーメーカ諸般の事情を知り尽くしている



4Gamerがマーベラスのインディーゲームメーカ支援プログラム「iGi indie Game incubator(iGi)」について、ニュース記事を今年2022年8月17日付でアップしている(関連リンク:4Gamer.net)。コトの経緯をまとめるとこうだ。

・マーベラスが主催する日本初のインディーゲーインキュベーションプログラム「iGi indie Game incubator」の成果(一期生のもの)が固まった。

・具体的に言うと二作「南極計画」と「Ninja or Die」をSteamリリースに向けて選出(前者は2023夏・後者は2023年春にSteamでリリース)。

・上記二作のリリースにあたって、マーベラスの欧州子会社Marvelous Europeがdevと手を組んでパートナーシップを締結したうえでリリースに至る。

この試みは素晴らしいことだとあたしは感じる。まず、マーベラスのようなでかい会社が、インディーの市場を開拓する姿勢を見せた点こそが率直に素晴らしい。そして、さらに突っ込んでいえばその”中身”がホンマに素晴らしい。インディーメーカの支援にあたっては、そのインディーメーカの立場・事情を知る必要がある。マーベラスはそれがわかっていてこの企画を考えた。これは、HPを見れば一目瞭然。要点を三点まとめてみよう。

・ゲーム開発のマネジメント面での講義による支援

・開発技術面でのプロによるトレーニングセッションの実施

・作品リリース後も含めた洗練化(ブラッシュアップ)への継続的サポート

このプログラムには、プロトタイプ・デモ版さえもっており、さらに、講義支援・トレーニングセッションを受ける条件が整えばそれだけで支援事業には応募できる、という。費用もかからないどころか、しかも、パブリッシングにマーベラス自身が就くわけでもない。権利も譲渡する必要がなく、IPの権利のありかはiGiに参画した後もその開発者自身にあるという破格の条件付き。カネ周りの支援も、スポンサーを募ることで、充実させている(関連リンク:iGi)。

なぜマーベラスがこのような方法でゲームに関わるか?というとあくまで自製IPのためではないか?その布石のためではないか?とあたしは勘繰る。この手のゲーム支援だけで事業として成立はしないし、マージンが取れたと仮定しても、マーベラスにとってはそれほど大した額にはならないだろう。あくまで広報を前提条件に置いたうえでの自製IP開発への布石だとあたしは思っている。

IPは自分たちのものであり、それを活性化させることのほうがずっと利益性は高い。勉強代としてマーベラスはiGiを運営している節がある、そのように思うのはあたしだけだろうか。