既存のスタンダードモデル「Meta Quest 2」のサポートを基軸としながら、テクノロジカルコングロマリット・Meta(FB)が、今後さらなるVR市場開拓攻勢に出る見込みだ。既存製品のさらなるサポート充実と合わせ、革新的な新商品・ハイモデルの投入が見据えられている。
( ゚Д゚)<ちょっとお時間いただきますよ。
まず、既存製品のサポートについてだが、Metaとしては、その正式な社名がFaceBook(FB)だったころからVR標準モデルとして「Meta Quest 2(旧:Oculus Quest 2)」を提示している。これは独立式スタンドアローンVR機器の標準版であり、VR機器の”土台”という位置づけだというハナシは既に出回りに出回っていることはあまりに有名(GamesIndustry.biz)。国内メディアが伝えるところによれば、Metaはこの標準フラグシップモデルの眼鏡レンズをカスタムするサービスを始める…という(GAME Watch)。他の既存メジャーVR機器と同じように、カスタマイズした専用はめ込みのできるレンズを、安めの価格・7000円程度で提供し、より快適なVR体験に貢献する意図があるとみられる。
一方で、Metaと社名を変更してから、VR機器の戦略が変わっていく点もある。その一丁目一番地にあるのが、やはりハイモデル「Cambria」の投入だろう。これについては、プレスリリースを追っただけの記事は多数あれども、その内実に踏み込んで書かれた記事はいまだに少ない。一番いいのがCNET Japanの記事だろう(CNET Japan)。そもそもこの”新商品”はハイモデルというだけあって、「Meta Quest 2」とは路線を異にするものだ。「Cambria」…それはスタンドアローンという意味では”土台”と同一項を持つものの、次のような新生の特徴を持っている、とCNETは報じる。あたしなりに読み込んだ上、肝要な点だけおさえておこう。
・MR機能の充実
例えば、我々がヘッドセットを装着して見られる現実の世界はある程度…というかかなり、メタ化されたものであって、本格的なMR・すなわち複合現実の充実が求められている点は、既存のVR機器を手に取ってみた方ならばわかることだろう。新規投入される予定のハイモデル「Cambria」は、MRの景色もカラーリングされ(「Meta Quest 2」では白黒表示)、その表示解像度も格段に高くなる、という。MR環境に充実さをもたらすというのだ。
・センサーおよびトラッキング機能の充実
加えて、ハンドトラッキングなどのセンサー系の機能もより強化されるという。こちらも、既存のVRユーザならば腑に落ちることだろう。VR-FPSで銃器を取り扱う時などは、限定的なハンドトラッキング実装のため、ぶきっちょになってしまうシーンを体験したことがないか。その点、ハイモデル「Cambria」は、このハンドトラッキングの面で機能加重していくという。また、アイトラッキングの問題も同じように解決する、という。既存のVR機器は”覗いている”感が強く、本格的にリアリティーある環境にいるとはいいがたい視覚表現に尽きてしまっている。こういった視点回りの感度がかなり高く要求設計される予定だ、とCNETは伝えている。
こうしてみると一定の期待はできるのではないかと思う。ただ、懸念がないわけではない。
従来から、あたしらがゲヲログ2.0でも口を酸っぱくするほど、何回も言っている通り、足元周りのトラッキングが非力すぎるのはその代表となるべきネガティブな点だろう。足回りが弱い=座位のVRプレイが適しているのが現状のMetaも提示しているVRの限界点だ。たとえば、VR-FPSなどの自力走行が求められる機能性を既存の機器は加味できていないし、おそらくこの点は「Cambria」も全く同じだろう。
これを解決しようとするにあたっては、すでに別社による超ハイモデル「Omni」が失敗したよう、同じ墓穴を掘る印象が強いのが正直なところだ。だからこそ、あえてMetaも後々の課題として”残している”感もあるが、本格的な足元回りのトラッキングを充実させれば、当然機能性として二倍三倍以上の価格が張ることになるのは当然だ。どのようにこの点を廉価に解決するかは当然VR機器全体に課せられている問題だといえる。それは「Cambria」でも同じだとあたしは見ている。
加えて全体的な価格の問題についてもふれておこうか。「Cambria」はハイモデルというだけあって想定される価格は10マソ以上だというのだ。スタンドアローンである程度…というかかなりお手軽にVR体験がこなせる既存の「Meta Quest 2」は、安価ゆえ大ヒットした商品だ。これが「Rift」クラスまで値が元に戻れば、それは高級将校専用機になってしまいかねない。より機能を絞らず、充実化を目するハイモデルにこだわればこだわるほど、価格設定は消費者が忌避しかねないものになってしまう。家電量販店の通販アイテムのように、手軽に使えるとはいいがたいのが「Cambria」の超えられない課題だろう。どのように限界費用を設定するかは、VRがいまだ高級品なだけに非常に難しい点なのだ。
「なんだ、Quest 2でしばらく十分じゃん」って思わされないような魅力ある商品投入をMetaとしても目論んでいて、2022年内に発売される予定の「Cambria」のほかにもラインナップ・セレクションをいくつか用意する見込みだ、とCNETは述べたうえ、当該記事を締めている…
( ー̀ὢー́ ) <あたしも、10マソの値段設定だすると、いまさらとても出せないね…