【馬鹿企画】マリオワールドにおける重力のもつ影響力-物理学者の算出結果を受けて[詳説版] | ゲヲログ2.0

【馬鹿企画】マリオワールドにおける重力のもつ影響力-物理学者の算出結果を受けて[詳説版]



Acceleration Due to Gravity: Super Mario Brothers – The Physics Factbook

※この記事はAdam Lefky,Artem Gindin両氏による上記の研究論文を翻案し、独自に解釈を加えたものです。

イントロダクション:マリオは自分の身長の数倍の高さに達するジャンプ力を誇ることで一般的に知られている、おそらく地球上でもっとも跳躍力のある最強の配管工である。これはどういった重力環境下での挙動なのだろうか?これを本論では明らかにすることを目的とする。

メソッド&アナリシス:ニュートン力学によれば…

で物体の運動変位は表される。

ここで、それぞれは…

・s0は初期位置

・v0tは等加速度運動による変位

・½ at^2は加速度運動による変位

を表している。これらの合計がs、すなわち変位である。

しかしながら、考えるのは自由落下運動における変位なので、初期位置s0と初速度v0は共に0の値を取る。よって、変位sは…

と置くことができる。すなわち、ニュートン力学における自由落下運動の公式とこれはまったく一致する方程式である。

これを重力加速度aについて方程式の形に変形すると…

が求まる。ここでマリオの身長設定をゲーム内の長さから参照する。

5フィート、すなわち1.524メートルの小人、それがマリオである。きのこをとり成長することは考慮しない。また、各ゲームタイトルごとにマリオの身長は異なったりするが、合一的にマリオの公式設定プロフィール(身長:1.524メートル)を参照するものとした。

となるとt(マリオが飛び上がってから頂点に達してから着陸するまでの間の計測時間のこと)すなわち、timeは簡単に求められる。なぜかというと、フレーム枚数をフレームレート(一秒間あたりのフレーム枚数)で割ればいいからである。

計算すればわかるが、これは、割り算を介し、フレーム枚数を意図的に消去しているの演算の方法だ。各作品によって異なるが、以下のようなデータが取れる。

ゲーム名頂点に達してから着陸するまでに要する時間(秒)
スーパーマリオブラザーズ0.5
スーパーマリオブラザーズ20.4
スーパーマリオブラザーズ30.5
スーパーマリオワールド0.5
スーパーマリオ640.33
スーパーマリオサンシャイン0.77
スーパーペーパーマリオ0.4

変位sを次に求めよう。そうすれば上記の方程式から重力加速度が求められる。変位sは新しい方程式で求められる。

すなわち、

マリオのメートル表記の身長/マリオのピクセル表記の身長=メートル表記の変位/ピクセル表記の変位

である。これを変形すると…

つまり、わかりやすく言えば、

として求まり…

変位は作品ごとの定数として扱えることとなった。よって前項目と合わせ次のテーブルが成立する。

ゲーム名頂点に達してから着陸するまでに要する時間(秒)マリオのピクセル表記の身長(ピクセル)ピクセル表記の変位(ピクセル)メートル表記の変位(メートル)
⇓ココ求めたい!
スーパーマリオブラザーズ0.539292
スーパーペーパーマリオブラザーズ20.445255
スーパーペーパーマリオブラザーズ30.535265
スーパーマリオワールド0.538193
スーパーマリオ640.3386217
スーパーマリオサンシャイン0.77119988
スーパーペーパーマリオ0.4288748

例えば、スーパーマリオブラザーズ初作について求めると…

1.5234(メートル)/39(ピクセル)*292(ピクセル)=11.406[m]

となり、シリーズ作品についても…

1.5234/45*255=8.6326[m]
1.5234/35*265=11.534[m]
1.5234/38*193=7.737[m]
1.5234/86*217=3.844[m]
1.5234/119*988=11.648[m]
1.5234/288*748=3.957[m]

となり検算が済んだ。よって…

ゲーム名頂点に達してから着陸するまでに要する時間(秒)マリオのピクセル表記の身長(ピクセル)ピクセル表記の変位(ピクセル)メートル表記の変位(メートル)
スーパーマリオブラザーズ0.53929211.406
スーパーペーパーマリオブラザーズ20.4452558.6326
スーパーペーパーマリオブラザーズ30.53526511.534
スーパーマリオワールド0.5381937.737
スーパーマリオ640.33862173.844
スーパーマリオサンシャイン0.7711998811.648
スーパーペーパーマリオ0.42887483.957

となった。ここで前に示した方程式を使用すると結果が出る(ハズ)、3つ目のTeXによる数式、すなわち… 

を思い出してほしい。

ここでいうaが重力加速度であり、sがメートル表記の変位(メートル)、tがマリオが頂点に達してから着陸するまでに要する時間(秒)である。どれも定数として上記テーブルに表記してある。

さらに、これを元に重力加速度の単位をm/s^2からGの形式に治す(以下検算)。

2*11.406/(0.5^2)=91.248[m/s^2]=9.305[G]
2*8.6326/(0.4^2)=107.908[m/s^2]=11.004[G]
2*11.534/(0.5^2)=92.272[m/s^2]=9.409[G]
2*7.737/(0.5^2)=61.896[m/s^2]=6.312[G]
2*3.844/(0.33^2)=70.597[m/s^2]=7.189[G]
2*11.648/(0.77^2)=39.292[m/s^2]=4.007[G]
2*3.957/(0.4^2)=49.463[m/s^2]=5.044[G]

リザルト:次のテーブルが得られた。

ゲーム名重力加速度(G)
スーパーマリオブラザーズ9.305
スーパーマリオブラザーズ211.004
スーパーマリオブラザーズ39.409
スーパーマリオワールド6.312
スーパーマリオ647.156
スーパーマリオサンシャイン4.007
スーパーペーパーマリオ5.044

確かに画像引用元の記事とほぼSMB初代においては通常のGの8倍~9倍と記事の推定とほぼ同じ値である。異世界の世界だ…

コンクルージョン:重力は1Gが地球上で一般的である。マリオシリーズの進化とともにその現実性は増す傾向にある、といえるが、依然として1Gの5倍(5G)の重力加速度のゲーム設定が最低ラインになっている。

つまるところ、重力が小さいからマリオの跳躍が実現できるているわけではなく、むしろ少なくとも5~10倍の重力を受けておりながらにして、それを克服する驚異の跳躍をマリオ自身実現している…ということである。

つまり、マリオの脚力は異常なまでに強い。そう、それは戦闘機のパイロットが高速移動しているのと同じような重力状況下において、それをもろともせず、しかも、自身の身長の数倍の跳躍高度を実現するほどなのである!