【令和の「ペーパーマン」】
インサイドが【令和の「ペーパーマン」】と伝える中華製新作TPS:「CALABIYAU」(これは中華圏での名称、日本では別タイトル名:「Strinova」として広報されている)が俄かに注目を浴びている。この名称の中華原題は、数物理学的多様体の一種である、”カラビヤウ多様体”に触発されて命名されたものなようだ。それに象徴されるように、このTPSはそのシステムの根幹に、いわば切り換え型「ペーパーマン」の要素を持っている、という。そこにさらに「VALORANT」のようなヒーロシューターのシステムを加えているらしい。いわば未だかつて見たことがないような新味のあるTPS、というフレコミなのだ。これは、どういうことなのだろうか?それについて語るにはFPS「ペーパーマン」について話す必要があるだろう。
「ペーパーマン」の特異なシステム
かつて日本でもサービスインされていたFPSに「ペーパーマン」というタイトルがあった。この「ペーパーマン」は、3D上の基本システムに2Dのキャラクター当たり判定をもたらした、世界で初めての画期的なFPSで、このゲームの持つ独特なシステムは、未だにその界隈のファンの間で語り草になっている。…といってもわからんだろうから、もうちょっと解説しよう。”縦から見るとそのキャラには厚みがあるが、横から見るとその当該キャラは薄い当たり判定しか持ちえない”という、”紙の概念”をキャラクターの当たり判定に採用したユニークなFPS⇒これが「ペーパーマン」なのだ。つまり、全てのキャラクターは”紙の人”=「ペーパーマン」であり、その紙であるキャラが3D空間上で動くことによって、実に特殊な挙動を実現したFPSだったわけだ。
多様体+ヒーロシューター
そして、ゲーム「CALABIYAU」では、そうした”ペーパー式”と”3D実体式”のモードを自由に切り替えて戦うことができる、という。つまり移動の際や戦闘の際に、”2Dと3D”・”紙と立体”という、キャラの挙動に強い影響を与える当たり判定切り替えをしながら戦うことができるちゅう、いわば【「ペーパーマン」(改)】を実現したわけ。先述したように、そこにさらに「VALORANT」のような能力型のヒーロシューティングのシステムを上乗せした形のTPSに相成っている。これが冒頭この記事で述べた、切換え型「ペーパーマン」+「VALORANT」のようなヒーロシューターということの真意である。これでわかっていただけた、だろうか…
期待できそうなゲーム?
残念なのは、まだ本作が本格的な世界的リリースに至っていないという点だろう。中華圏でこの”カラビヤウ”は積極的にサービスインされている節があるが、日本を含む非中華圏海外での”ストリノヴァ”としてはまだ本格的なサービスインはされていない。そのため、プレイテストに招待された限定的なストリーマーを通じてその全貌が徐々に明らかになってきている、という様相を呈している。そうしたこともあって、まだテストプレイヤーによる専用Wikiが地味に作られ、限定的な攻略情報が流通しているだけの現段階において、このゲームを評価するのはとても難しい(だってまだプレイできねえんだもんw)。だが、現にインサイドが伝える【令和の「ペーパーマン」】というフレコミは極めて魅力的に見える。
3Dシューティングゲームがはまってしまった固定概念
旧来からの伝統的なTPSやFPSは、どーしても固定概念に固執してしまい、その結果、オンラインPvPシューのメインストリームが硬直化している問題がある。この点に不満を抱く3Dシューファンが多いのは間違いない。極々簡単に言うと、同じようなタイトルが多くなってしまっているのでは?というインスピレーションのことを指すわけ。そういう現状に風穴を開けるポテンシャルのあるシューティングがこの”多様体なゲーム”だ、というマエブリな評価はあっていいように思う。また、まだまだ数少ない国内のカラビヤウ・ファンも大方そう思っているはずだ。
ゲーム開発的触発
日本がらみだったり韓国がらみだったりのゲームが今になって中華圏のゲーム開発において参考になる、ということは「艦これ」や「アズレン」の例を見てみても往々にして明らかだ。ゲームプロジェクトの世界的な潮流を見ても、開発者たちが”ハリネズミ”のような鋭敏な感覚で、他のゲームでも”参考になる点は参考にしろ” ”パクれるところはパクれ”という意気込みで各地でdevしているのは、間違いない。ぶっちゃけ、「CALABIYAU」もまた「ペーパーマン」をポジティブにパクったゲームなのだから、凋落が続いている日本産のゲームもここらをなんとか開拓・活用できませんかね…最も元祖「ペーパーマン」は韓国産だけど、事実上ゲームポッドがなけりゃ「ペーパーマン」の継続的な人気もなかったわけでして☺
ひょっとしたら本作は、日本のゲーム産業に刮目と自信を同時を与える…
そんな特別なゲームなのかもしれないね。