Steamで早期アクセス配信中、カードデッキ系RPG「Chrono Ark」詳解プレイレポート『鬼の章』 | ゲヲログ2.0

Steamで早期アクセス配信中、カードデッキ系RPG「Chrono Ark」詳解プレイレポート『鬼の章』

今回紹介するのは、Steamで早期アクセスタイトルとして販売されている「Chrono Ark」というゲーム。いわゆる「Slay the Spire」で一般的に有名になった”デッキ構築型のゲームの一種”だ。

”デッキ構築型ゲームの一種”といってもこのゲーム、単なるデッキ構築シミュレーションのゲームではないのが特徴的。”デッキ構築型ローグライト”と呼称するのは簡単で、ある意味正しい表現だが、そこにRPGの要素-特に「世界樹の迷宮」や(日本版の)「ウィザードリィ」を想像してくれればわかりやすいが…-それらのエレメントの良い部分だけを集めた集合体になっているようなゲームでふ。

ストーリーの舞台となるのは、暗黒漂う世界とその中の決められた地域にしか居住できない人間の住む、空に浮かぶ街の島。謎を抱えた少女が世界と・仲間と・そして自らと相対して”秘められた謎”を解いていくというものだ。

遥かな昔、世界は黒い霧で包まれ、歪み始めました。霧から現れた全てが人々を攻撃し、地上は人が住めない場所になりました。この世界で安全な場所は空の島、’アーク’だけです。主人公ルシ―はアークの下、歪みの地で目を覚まします。’アーク’にある時計塔を起動させよという謎の記憶だけを持ったまま…

システム面で着目すべきところは、デッキ構築によって攻撃と防御の布陣を敷く…というシミュレーションlikeな戦略性を、RPGの戦闘シーンにピンポイントに当てはめた点。いわば『デッキ構築型RPGシステム』という新たなメメントを盛り込んだのだ。挑戦心旺盛な考え方で作られてるが、ゲームバランスは絶妙にまとまっている。この部分は賞賛すべきところだ。自由度が高めで、従来の”デッキ構築型ローグライト”ゲームがクリックベーススタイルのゲームだったのに対して、こちらはかなり頭を使うスタイルになっている。最適解がいくつもある-それだけの戦略性を求められる-判断と頭脳ベースのゲームスタイルがオリジナリティの面で共鳴する秀作だ。

チュートリアルもかなり面倒見が良いほうで、従来のJRPGに理解を示せるレベルならば、
多少複雑なこのタイトルのシステム理解もスムーズにできることだろう。

通常攻撃・魔法攻撃・擁護/回復行動…それぞれにアイテムとデッキによる技の展開が主軸に据えらえているのが基本。暗闇の地を歩き回りながら、コンパクトにまとまった面の展開を攻略していく。面と面の間には小休止やゲームの仮セーブもできるキャンプファイヤー地点が存在する。それぞれの面の最後には、ボスが待ち構えており、そこにたどり着くまでに多くのHP(ヒットポイント)以外の、高度なロールプレイ式のリスク管理が求められるのが魅力なん。なお、チーム指揮官は、メインキャラクターでもある「ルシー」が担当する。彼女自身の役割は格メンツのサポートサイドに立つこと…主人公としては若干特異ではある立場かもしれない。

システム面での具体的な事例を挙げると、レベルが上がるに伴って可能となる攻防デッキの構築手法、こちらのマナ残量と展開デッキの噛み合わせ、および相手のスピードを念頭に入れた戦略性、武器/装備類のオブジェクト地点でのアップグレード、フィールドに点在する商人の建物におけるアイテム購入/その探索などがある…その旺盛に取り入れた個々の要素・要素は、選り取り見取りで多彩。もちろん、デッキベースで進んでいく”運まかせ”の側面もあるが、そのあたり、ローグライトの本来あるべきシステムと入り組んだ構成をしていて、まるで『ローグライト風カジノ』をプレイヤーに味あわせるようなRPGに仕上がっている。

容易に理解できるインターフェース、ステータス画面…
ここで各キャラクターおよび指揮官としての本領発揮。スキル・武器防具のマネジメントができる。

グラフィックデザインはJRPGの典型的な事例に沿って作られており、イメージとしては前述したような「世界樹の迷宮」や「ウィザードリィ」のそれを思い出してもらえればいいだろう。ハイクオリティで、JRPGや欧米のテーブルトークRPGのリスペクトに富んでいる。デザイン性に優れており、違和感なく世界とその物語の中にすんなりと入っていける。

ローグライトゆえ、一周失敗に終わってもすべてが終わるわけではない。集めたゲーム内の通貨(もちろんRMT:いわゆるリアルマネートレードじゃないよ)を使うことで、デッキ強化をしたり、あるいはゲーム内での実績を見込まれてアンロックされるキャラクターを目標にしたりと、やりこみ度は十分。クリアまでの総時間は少なく見積もって50時間ぐらいだろうか?おそらく、EAを抜けて完成したころにはそれぐらいのボリュームになりそうだ。

研究所で新スキルになるカードアイテムをゲッツできる
―全滅してもすべてのリセットされるわけではない…ンだ―

用意されたデッキを収集・攻略して戦略を練るだけでもかなり面白いが、なにより強靭でかな~りオフェンシブなボスと、ギリギリの戦略展開を繰り広げた結果、ほぼ”橋渡り”のロールプレイ内容で倒せたときは、かなり達成感がある。上達のためには、それなりの努力と知力が必要だが、直情的にゲームを進める面と熟考してゲームを進める面とがマインドセットしていて、ゲームコンセプトに似合ったものになっている。気軽に始めてもいいし、本格的に実績コンプを目的として始めてみても、それは十二分”アリ”なゲームに仕上がっている。

手ごわいのはボスだけではない。道中の敵も十分強力だ。
もちろん、強力な敵やより強力なステータスを持つボスを、戦略的に打倒できたときの達成感は大きい。

そんな本作は、Steamで定価1730イェンで販売中、年末セールの今ならば30%OFFの1211イェンで購入できる。なお、日本語ローカライズ対応しているので(多少の言語バグはあるようだが…)日本人のかたも買って遊んで楽しめる。”不思議なダンジョン/世界樹の迷宮/Legend of Grimrock/ウィザードリィ”といった名作シリーズ各作に勝るとも劣らない、現代版ゆえの解釈を加えたゲームになっているので、ぜひ臆せず買ってみてほしい。

この完成度とボリューム、多くのSteamerから高い評価を得ているようだが、それでもまだアーリーアクセス…隠れた恐るべきSteamタイトルだとあたしは本作を、高っく評価するのである!(押せ押せ、買え買えのアピールだッ!

※アイキャッチ画像・ストーリ―説明文章・ゲーム内画像は本作のSteamページ
および「Chrono Ark」同ゲーム内より引用させていただきました。