セツメー
『ゲーム「Wingspan」から学ぶボドゲPvPで重要な要素』と題して、論じてみます。なお、この話は特に、オンラインマッチ(PvP)のことを指していることには注意されたし。3点だけ挙げさせてもらいます。
①勝利感/達成感
勝った!っていうエフェクト感はこの分野ではすごく重要。ここでいうエフェクト感ってのは内在的なものでも構わない。つまり、グラフィックス的な派手さがなくても、知的というか、『テストの答え合わせ』がドキドキ感とともにできれば良い。そこに至るまでのプロセスも重要。緊迫感とともにそいつらが表現できているかどうかの感覚が極めて重要。たぶんだけど「ハートオブクラウン」とかは、なんかここが欠如している印象がある。そうしたエフェクト感があのIPにはあまりない。臨場感でもってして、そいつがプロセス上の問題として体験できるものでなければならない。もっとわかりやすく言うとゲームの終局の場で、”定期テストのスコア表”を突き付けられる緊迫感がないとダメっす。「Wingspan」はここが凄いと思う。ありゃ最高の『テスト答え合わせ』の臨場感があるw負けるとめっちゃ落ち込むし、勝ったときの高揚感が凄い。オンラインマッチプレイして見りゃ一発でわかる。
②貢献感/構成感
全体にどれぐらい貢献したり、ゲームマッチの構成に入れ込んでいるか?これを逐一自分の中で把握できる感覚が凄く重要。ゲームを形作っている、という貢献度や構成への度合いがどれぐらいなのか?それをプロセスとして認識できるのは極めて重要です。親にテストの結果を評価されることは確かにうれしい。でも、その結果に至るまでのプロセスを褒められたっていう感覚のほうがもっとうれしいものなんです。これはビジュアル的にすごく強いエフェクトが必要だとかそういうことは言っていない(つまり、この点では①と同じ)。達成感に至るプロセスが大きいスケイルで平均してトントン楽しめる、そんな感覚が重要っす。①=結果と同じかそれ以上に②=結果に至るまでの道程も重要なんですよね。
③フィードバック感
これはね、いわゆる”報酬”に似ている。AIの事例でいうところの強化学習的な意味合い、っていうのかなぁ…『これこれこういう報酬を得られた!』『結果的には勝てなかったけど次も頑張ろう!』『絶対に次こそは勝ってやろう!』っていうモチベーションの維持のために重要なんことなんす。いわば、格闘ゲーム系のモチベーションの持ち方がボドゲPvPにも常時必要。これがないと、そもそもユーザ数の担保が出来ないし、継続的にユーザ数を確保できないじゃないか。人が減ればそもそもPvPは成り立たないからね。つまり、『あなた、今回は負けたけどそのプレイの対価としてこういうヒントだけはあげます』っていうシステム系の在り方がすごく重要。
まとめ
さて、3点、挙げさせていただきましたけど、ボドゲと言えども、PvPだから格闘ゲームのそれに似てるかなぁっていう印象はあるね。でもね、ボドゲPvPは、格ゲーみたいにバリバリの3D的な(たとえ2Dでもそういう派手な、という意)グラフィカルなエフェクトが必須だとは思わん。①でも書いたけど、「Wingspan」はすごく勝利感/達成感があるけど、バリバリのエフェクトはないよね。まったくない。でも臨場感があって、『やっと勝てたぜ!』っていう知的なエフェクトがある。②貢献したり、構成したりするっていう感覚もやっぱりある。例えば、妨害カードも自然にシステム系に組み込まれているし、嫌にならないほど、それがナチュラルに実装されている。③フィードバック感も大きい。『次こそは…』という復讐心(笑)に満ち満ちて次のマッチに挑むことができる。思うにFPSとは違うんだよな、システム的にこのジャンルは。派手なエフェクトがなくても、緊張感、というかね…そういうものがあれば良い。
ケツローン
「Wingspan」にはこの3点のうちすべての要素が盛り込まれている。だから今でも常時500名ぐらいオンラインマッチに接続している。「Dune」ですら100名なのに、その五倍ぐらいのユーザ数確保している。これが「Wingspan」の真骨頂。ふつーありないですことけどね。やはりそれぐらいシンプルに楽しい。①②③のうちどれもが盛りだくさんのゲームだからね☆