ゲーム系メディアは社会問題と不可分か? | ゲヲログ2.0

ゲーム系メディアは社会問題と不可分か?

ゲーム系メディアは社会問題と不可分です。もしゲーム系メディアに社会的な問題提起の記事がなくなれば、それはそのサイトはメディアとしての魅力がない、ということと同等でしょう。ではそれはなぜか?というと、ゲームの持つパワーは社会問題と密接にかかわっているからです。

実際、先日、SNKの株式を、政治的に独裁色の強いサウジアラビア皇太子の財団が大量に購入したりした、と多くのゲーム系メディアが伝えています(参考リンク:物議を醸したサウジアラビアの皇太子が大量のSNK株を取得、単独過半数も視野に。ご存じ中東では石油に依存した経済が成立している一方、これから石油が枯渇・あるいは資源としての消費需要が下がることを理由として、今後長期的なスパンで見てみると石油産業だけでは生きていけない、と強い懸念を彼らは持っているそうです。だから教育・投資を中心として、欧米の名門大学の分校を誘致したり、新規産業に取り組んだりしたりすることが、話題になっているサウジアラビアをはじめとして中東の資源国では盛んです。

このように政治的な理由を背景として、彼らが熱を入れているのがゲーム産業をはじめとするコンテンツ産業でもあります。例えば、それはゲーム以外にもアニメや漫画だったりします(参考リンク:サウジアラビアが日本のアニメやゲームに興味津々な理由、SNK買収も | News&Analysis | ダイヤモンド・オンライン。このようにゲーム産業は単なる先進各国やオタクと呼ばれる人々の一面だけを照らし合わせた業種ではないわけですね。メディアミックスというコンテンツ産業の商品展開手法が示すように、多くの媒体で多くの形態で、またより多くの地域の人々を巻き込んで展開されるその象徴がe-Sportsやゲームだったりして、立派なお金儲けの手法や政治的な問題の現れでもあるわけですね。

また、それはサウジのような資源国家だけにとどまりません。我々、先進各国内でも同じです。Twitchには米軍のスポンサーがついているほか、Steamには多く軍関係者が運営しているようなゲームまであります。「America’s Army」は米軍が作り運営しているゲームであることで有名ですし、「Arma 3」は軍との取引もある会社チェコのボヘミア・インタラクティブが作っているゲームですね(軍向けのシミュレーターを開発・販売もしている会社)。先日、ある大学院の客員教授が言っていましたが、実際ゲームのプロを軍の兵士にリクルートするということまで、事実あるそうです。遠隔操作機械のオペレーター担当兵士として使うんだそうです。彼らに無人偵察航空機などを操縦させるんですね。

もっと深くみてみると、それは産業そのものの問題でもあります。例えば、「Forbes(フォーブス)」という世界でも屈指の経済紙があることぐらいは今時どなたでも知っていると思います。この大手紙の大変立派なWEBメディアサイト、実はゲーム系の技術には非常に強く関心があるらしく、イノベーションの記事カテゴリーの中にゲームという項目が確かにあるのが我々はそのWEBサイトにアクセスすればよくわかります。Linuxの開発者であるリーナス・トーパルズも、ゲームで培われた技術は様々な分野に応用できるということを述べています。例えば、それはスーパーコンピューターに応用可能なGPUの並列接続技術だったり、AI(人工知能)の組み込み技術だったりするわけで、ゲーム産業と我々の日常の生活は切っても切れない関係性にあるといえるのです。

あなたの親御さんが「ゲームなどやっていないで勉強しなさい」というのはごく自然なことですが、このように多くの面でゲーム産業が社会問題と不可分であること、あるいはゲームで培われた技術が経済や軍と不可分であることまでも含めて認識したうえで、ゲーム系メディアもまた存在する、ということ、そのこと自体は客観的な事実として、認識をしてもらいたいものです…