コーエーテクモ「アトリエ」シリーズで攻勢 | ゲヲログ2.0

コーエーテクモ「アトリエ」シリーズで攻勢

コーエーテクモゲームス(KOEI TECMO GAMES CO., LTD.)が自社権利タイトルのSteamリリースに、入念に”肩入れ”している。カプコンなどと比べると、コアなイメージが強い会社だが、実はCS機でもSteamでもコーエーテクモのゲームは評判が良い。

彼らの代表的なゲームのうちSteamでもよく話題に上げられるゲームは実際のところ和製ゲームメーカとは思えないほど多彩である。「三国志」シリーズをはじめとする戦略シミュレーションもの、「無双」シリーズをはじめとするハックアンドスラッシュもの、「デッドオアアライブ」シリーズをはじめとする格闘ゲームもの、そして近日大成功のセールスを記録したダクソライクな剣戟ゲーム「仁王」シリーズのSteam配信が好評なのも記憶に新しい。加えて、”JRPGの純要素”でSteamに攻める「アトリエ」シリーズの立ち位置はある意味、特殊ともいえる。

Steamで純粋なJRPGのタイトルが好評を博することは常識的に考えれば、理論的にも経験論でも難しいはずだ。JRPGは既に廃れたジャンルであり、GAIJINにそのように評されることもあったし(参考リンク:Access Accepted第337回:「日本のゲームの未来」を考えさせられたGDC 2012、むしろその当のGAIJINたちが独特の解釈でJRPGを再構築し始めてしまったことからもそれは見て取れる。成功した「CrossCode」の事例などを見れば事態は明らかだ。例外的に、SteamでリリースされたJRPGのリマスター版の各社作品は評判はいいことはいい。例えば、それはスクエニの「ファイナルファンタジー」シリーズ「ロマンシングサガ」シリーズだったりするわけである。だが、リマスターどまりという点で今後の展開に難が出るのではないかという懸念も大きいものがあるだろう。大成功した新たなるバージョンの「聖剣伝説3」のリメイクはうまくいったようだが、これはあくまでリメイクと称して現代風の解釈を加えたからこそ、『新作でもおかしくはない出来』と絶賛されたわけだ。だから、これを先鋒にして純粋なJRPGで”受けた”タイトルかつ”新作”というものは、非常にニッチだと思う。

言わずと知れた「アトリエ」シリーズは、そのうちでもなぜかSteamerに”非常に好評”の評価を度々得ている、『純なJRPGもの』であり続々と新規投入される和製RPGだ。タイトルはCS機でリリースされたものをほぼママ移植したものが大半だが、JRPGの琴線に触れるような作品であり、可愛らしいキャラクターデザインが功を奏して、GAIJINにも大人気ときたもんだ。ここでも事例を挙げよう。例えば、直近の最新作である「ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜」だが…これはメタスコアでもかなり評判良く、PC版が84のスコアをたたき出し、ユーザスコアでも7.8と高い位置をキープできている(参考リンク:Atelier Ryza 2: Lost Legends & the Secret Fairy for PC Reviews – Metacritic。ストーリー以外にもタクティカルコンバットシステム・クラフトシステムなどが高く評されているのが、評論したメディアの共通項といえるだろう。さらに、売り上げも国際派JRPGタイトルとしてほかに引けを取らず負けていない。22万本の売り上げを報告する決算文書をみれば、これは一目瞭然である(参考リンク:https://www.koeitecmo.co.jp/ir/docs/ir1_20210125.pdf。実はコーエーは、この事例が端的に示すだけでなく、前述した「仁王」シリーズをはじめとして多くの人気シリーズIPを所有する、Steam配信に積極的な和製メーカのうちでもかなりの”優等生”なのだ。

確かに、国内でのイメージはe-Sports向け主要タイトルは持たないなど、多少陰るものがあるのも事実だが、彼らのエンターテインメントの国際展開力は高く評するべきものがあるのではないか。新生バイオで評価が巻き戻ったカプコンと肩を並べて、今後もSteam展開により一層力を入れてほしいと感じる次第だ。