京アニはなぜ直販サイトを運営できるか?

京アニはなぜ直販サイトを運営できるか?

今、あたしの手元に京アニのエスマ文庫の新刊がある。

京アニショップで注文したものが届いたのだが、この戦略、直販サイトを運営しネット・ローカル双方のルートで流通を押さえるという売り方はそうそう並大抵にできたものじゃない。アニメ化に適した文学系の賞を作り、イメージを膨らませながら、それらと自由自在に映像作品と繋ぎ合わせる。例えば、他のアニメーション制作の会社にこういったこと(直販サイトの運営)をやれ!と言われてもそれは間違いなく失敗するだろう。原作のクオリティが高みに高まって、イメ―ジがきっちりと固まってきた京アニだからこそ、ブランディングに成功したというわけだ。

今思えば京アニには全てが揃っていた。経営者の素質・ビジョン・経営戦略、その結果としての多角化の成功…KADOKAWAとの距離感も含めてすべてが抜群の経営能力ゆえだったと思う。アニメーションの原案を小説で募集するというアイデアには新規性がある。ゲヲログ2.0でもゲームを原案小説をもとに作るという企画記事を書いたことがあるが、あれのアニメーション版を思い起こしてほしい。基本的に、ゲームはインタラクティブコンテンツだが、アニメーションは一方向性のコンテンツ。そこらの特性も理解したうえで、京アニはアニメの作りこみも直販サイトの運営もしていると思う。

たしかに単価は高めだが、この試みはすべてうまくいくだろう。ヴィトンの財布入れを買うヤツが、百金の財布入れを買うはずがない。京アニは作品のクオリティを限界まで高め、アニメーションの中で世界を何層にもわたって作りこめる工夫を行ってきたのだ。既に彼らの経営はここまで発展してきている。

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