Valveはさらに工夫してきた。なんのことか?Steam Remote Playのことである。その機能性はTogetherとAnywhereに分けられる。簡単にふたつについて説明しよう。なんぞや?と思うかもしれんが、実際シンプルな機能なのですぐに理解ができるだろう。その上で、問題なのはTogetherのほうだ。そのため、このふたつの機能性について説明した後、なぜTogetherのほうが重要なのかも書こう。
・Steam Remote Play Together…例えば、あなたが、ひとつのローカル協力プレイに対応した準ネットワークゲームをもったとする。するとオーナーであるあなたは、ゲームを主催し、その主催に参加するそのほかのプレイヤーたちが当該ゲームを所有しているか否かに限らず、実質的な完全なオンライン機能と代替し、前述したそのほかのプレイヤーたちとネットワークゲームを楽しめるようになる、っていうサービス。
・Steam Remote Play Anywhere…最適化された一部のゲーム、Anywhereに対応したゲームであれば、あなたはいつでもどこでもスマホやタブレット端末を通じて、その当該ゲームコンテンツを楽しむことができる、そういうサービス。
なぜ前者が重要なのか?っていうと…この機能はインディゲームのマイニングにかなり重要なものだからだ。現にSteamはこのサービスを始めるにあたり、複数のローカル協力プレイゲームをセールとして大規模に売り出している(※参考リンク:Remote Play Togetherセール&ライブストリーミングイベントの紹介)。「Among Us」に限らずに、ヒットするゲームを根本からマイニングし、サービス対応・実装し、大幅なビッグロングテールを見込むのがおそらくValveとしての見方だろう。また、TogetherとAnywhereは入力ハードウェア差の問題は生ずることあることにはあるかもしれんが、基本的に両立可能であるという点も見逃せない。
つまり、ロングテールをビッグロングテールに、さらに、ゲームサービスの軸となる機能をセールスそのものと結びつけてしまうという力学をValveは呈しているといえるだろう。このアイデアは実に巧妙に仕組まれている。この手のベテランなやりくちによって、第二・第三の「Among Us」が登場するのは間違いないからだ。