戦車に恋するシミュレーション | ゲヲログ2.0

戦車に恋するシミュレーション

Steamにも戦車を取り扱ったゲームがある。やはり筆頭として挙げられるのは「World of Tanks」およびそのライト版「World of Tanks Blitz」だろう。だが、他の多くのタンクゲーは名作であるWoTの寡占とブームの中に埋没してしまい、『あれこれどっかで聞いたゲームだぞ!』っていうのでさえ少なめ。期待できるのは「Steel Fury」とか「Steel Gear」とかだけれども、挙げられるゲーム数は少ない。なぜだろうか?

それは戦車の置かれた状況とその構造の問題にあると思う。まず、車種が多すぎる。さらに言えば、車種ごとに構造的個性が出すぎる。車体形状にはじまり、無限軌道・弾薬庫・操縦室・主砲〜副砲〜機関銃・換気装置…機械機構なんでもござれと来たもんだ。戦車の場合、その車種ごとに個性がビリビリ出るので、現実性とエンターテインメント性の両立が極めてシビアで難しいのだ。

リアリティを追求しすぎても軍事ものとして取扱が難しいタイトルになるだろうし(実際そういうミリタリー系ゲームも多くある〜「Arma 3」「Combat Mission Shock Force 2」など~)エンタメ性を追及しすぎてもガルパン戦ヴァルみたいなライト層向けになっちゃう。その点、WoTは流石だ。ある程度、戦車史に詳しい人も楽しめるし、エンタメ性も兼ね備えている。車種や搭載兵器をはじめとする構成機械は、ゲーム内通貨での購入・もしくはアップグレードという形で実装、戦車のもつ多彩さを見事に表現し切ったと言える。

シンプルさを追及した新しいアイデアもあることにはある。国内では、斬新なゲーム構築で知られる、nine-twoの作ったタンクゲームがそれだ。このゲームは、まさに設計思想として『逆転の発想』とも言える転換点になっとっと。複雑さは極力抑えた上で、シューティング性に重きを置いた点が素晴らしい。工夫したのは、風向の概念をうまく取り入れた点だけだが、単純で奥深いタンクゲーになってる。

なんにせよ”戦車に恋するシミュレーション”…童心に抱いた戦車への羨望のまなざしを、現代の飽和したゲーム市場で再現するのはかなり難しいんだろうナ。

※アイキャッチ画像:Wikimedia Commonsより