Steam(Valve)は新規ゲームタイトルのマイニングに走る | ゲヲログ2.0

Steam(Valve)は新規ゲームタイトルのマイニングに走る

4gamerが伝えるように、Steam運営元のValveが「Steam ゲームフェスティバル」という”感謝祭”を現在開いている(2月10日までらしい)。ここで注目すべきなのは、インディーゲーム展開を主業とするデヴェロッパが動画配信をしながら、そのデモ版を期間限定で配布しているという点だ。あたしも、以前配布されていた時期の、とあるタイトルらの”期間限定”のデモ版を逃したこと数回ある。だから、この試みは個人的にはすさまじく興味深いと思う。だが、それ以前の問題としてこの傾向をValveがゲーム販売戦略として敷くのには当然ガッテンな理由がある。

完全競争のゲーム資本の世界において新規参入が続く限り、利潤は低減し、イノベーションが止まり、ゲーム資本主義は社会主義体系へと移行する…明らかに論理性に合致している、このロジックに対して、Valveは堂々と反旗を翻し、価格競争をはじめとする新規参入を促す戦略に出ているのだ。なにより重要なのは、広義のゲームギミックに様々なものを投下するであろう意欲的なインディーデヴェロッピングを支援する!という強い意欲の表れだ。それがこの企画にはにじみ出ている。それぐらい独創性の強いタイトルが多いわけだ。

実際、あたしもかなり”かすめ取ってみた”。無論、有望なタイトルも多い(しかも当然デモ版なのだから”無料”だ)。以前紹介したうちでは「One More Dungeon 2」はクオリティアップの面で期待できる。トップダウンシューティングとしては「ANVIL」「Godstrike」もかなり意欲的なビジュアルを呈しているし、さらにはRPGとダンジョンクロウルおよびデッキビルドの自然な融合を標榜する「Loop Hero」や、360°回転式シューティングというジャンルを開拓する「Orbital Bullet」もある。これらに始まり「Retro Machina」のような芸術性のあるロボットACTADV、”2D版サイパン”こと「Glitchpunk」も…ゲームの基礎から応用までありとあらゆる技術力の粋を凝らした傑作の芽たちといえるだろう。だからこそ…だが、これらのタイトルのデモ版はいつ流通が止まるかはわからん面もある。実際、配布が期間限定ということもありえることもあってか、今Steamのデモ版人気ランキングは群雄割拠だ。

前項で、あたしは農業シミュレーションゲームの模倣性について簡潔に述べた。だが、模倣はイノベーションではない。だからこそイノベーションは模倣でもない。ゲームといえどもイノベーションのある形、テールの長い販売手法、簡潔に言えば大手とは競争しないタイトルが求められているのは自明のことだ。独創性・オリジナリティで勝るゲーミング体験をValveはシュンペーター的な停滞論にこぎつけて、それらをまとめひっくるめてブレイクスルーするつもりだろう。その時、”彼ら”は『ゲームマイニング』に徹しているといえる。之、別の言葉で表せば、『社内流通網のさらなる民営化』に徹している…とも表現できるだろう。