オープンソースFPS、ブームの後『衰退の時代』へ | ゲヲログ2.0

オープンソースFPS、ブームの後『衰退の時代』へ

2000年代から始まったオープンソース化されたFPSのリリースラッシュが、その流行の兆候をきたした後、『衰退の時代』へと入ったような印象をうけるのはあたしだけだろうか?

オープンソースFPSの親玉的存在だった「Nexuiz」は、Steamでリリースはされたが集まったレビューは200に満たなかった。『かなりいい線行ってるだろう!』と言わざるを得ない、カートゥーンデザインに優れた、この業界でも有名なタイトル「Warsow」は、開発チーム同じくして「Warfork」となってSteamでリリースされたが、現状の同時接続者数は10名ほどだ。Doom/Quakeの系譜を継ぐ「Cube」シリーズ、これなんかほぼまったく日の目を見ることなくニッチ以下の存在に落ちこぼれた。唯一、残存しているのは「Urban Terror」ということになるが、こちらはまだSteamリリースは決まっておらず、唯一望みを繋いだ形のタイトルといえる(公式情報によれば累計で50名ほどは鯖にあつまっているらしい…)。

思えば、この『オープンソースFPS』という試みは、見ていてかなり興味深いものだった。開発陣が金儲けを目的とせず、実質完全フリゲとして、FPSのような高度な技術がなければ作れもしないジャンルタイトルを、ほぼオンラインのみでリリースするという先駆的な試み…その一過性のブームには傍目から見ていてもワクワクさせられたってもんよ。カンパのみ・貢献心とやる気のみで、開発のためにどんな多大な労力をも惜しまない開発陣には頭が上がらんかったってもんやねw

似た立ち位置にあった、知る人ぞ知るタクティカル系FPS「True Combat:Elite」はやっていて純粋に面白かったタイトルだったし、最盛期は200人程度は常時集まっていたのではないか?だが、こちらも欧米の公式開発サイドが行方知らずになり、日本語解説サイトがゲーム自体の終焉を、HP上で告げるという段階にある…

失敗と隣り合わせになってしまった、FPSをオープンソース化する・あるいはフリーゲーム化する、という本質的意義はその根元にはあったと思う。匠の技術の共有・スポーツ系とリアル系の融合・奇抜なタイトルによる市場の活性化…その名目上の利益は大きく見えたもので、これらのタイトルをSteam配信させられる時が来れば、それはFPSに一石を投じる一時代を築くのではないか?と本気で妄信していた時期があたしにも確かにあった。ではなぜオープンソースFPSはうまくいかんなかったのだろうか?

一つは、やはり「Counter-Strike:Global Offensive(CS:GO)」など、FPSゲームの低廉配信化・F2P化だろう。完成度の点で会社系devの後塵を拝してしまった点は、やはり大きかった。これだけのタイトルが数千円の値段で、Steamという強力なプラットフォームでDL配信されれば、いかにオープンソース化されたゲームといえども、対等には渡り合えない。ちょっと思いつくだけでも…「Left 4 Dead」「Killing Floor」「Arma」「Borderlands」「Titanfall」とな。結果的に、「CS:GO」はSteamの波に乗り、F2P化され、オープンソースFPSに意図せずとも完全にとどめを刺した形になった。今、挙げたタイトル陣もエンターテインメント性に優れた野心的なものばかりで、前述のオープンソースFPSよりも”強い”タイトルだったのは間違いない。そうそう、「Team Fortress 2」のF2P化はもう10年ぐらい前のコトか。

第二に、廉価で強力な開発ツールの登場だ。Unreal EngineやUnityを駆使したタイトルは、開発リスクを極限まで低減させる役割を持ち一世を風靡しつつある。これらの”フリーツール”を使ってしまえば、商用タイトルをどんどん勢いに乗って投入することができる。FPSも含めてゲームの頭数は増え続け、さらに完成度の高い磨きをかけたタイトルが群雄割拠する時代になった。目の肥えたゲーマが急増した結果、その中に置かれた、オープンソースFPSがいる立ち位置は微妙にゆらめく”岩の上の岩”という不安定なものに過ぎなかったように思う。Steamで配信されるような商用ベースのゲームdevはその基盤をうまく利用し、ツールを駆使したうえで、複雑なコードを持つ同人的ゲーム開発者を駆逐していった。

もちろん例外がないわけではない。「Urban Terror」以外にも日本ではnine-two氏が手掛ける「X operations」がある。だがどれもがメジャーどころとは話が違ってる。だから、オープンソースFPSの時代は終わったのかも知れない。みんなで作るゲームは、いわばP2P(Peer to Peer)に似た開発スタイルだ。ただし、流行りのスタイルはクラウド型・トップダウン式の開発スタイルにうって変わってしまった。その流れを解くのに必要な力は並大抵のことで手に入るものではないのだろう。

残念だけど、もうあのころには戻れないのよね。