「TikTok」は悪か? | ゲヲログ2.0

「TikTok」は悪か?

「TikTok」を始めとする世界的な中国製ITサービスは、中国製ということ”だけ”で悪では”ない”のは明らかだ。中国に批判的な自民筋は、一様にこのように主張する―「中国では国家情報法という統制法が整備されており、華僑系国家的企業と中共とのつながりが見受けられる…スパイ的情報収集は国家的利権に関わる問題なので、中国企業のITサービスを危険視すべきのは当然だ」と。この論理のうち一部正しい点はある。母体が共産主義国家という、統制の強い『箱』であるということは確かに危険かもしれない。だが、中国の国家情報法”だけ”が危険なのだろうか?

元経済官僚の岸もTV番組で伝えるように、アメリカにだって同じような法律は当然”ある”。岸も言うように、アメリカ政府の要請があればアメリカだってほぼ無条件に国益のために情報を集められる法制度を作っている。日本だって治安維持のために、左翼を押さえつけることができる法令がしっかり整備されている。日本の場合は国家統制に公安を始めとして、危険な左翼団体を監視するための治安機関がしっかりと活躍していて、その適用範囲も妥当な範囲なのだろう。では、当のアメリカの場合どうだろうか?

元CIAのスパイ、エドワード・スノーデンが著書で告発したように、アメリカにも『網』はあるのが事実だ(確かに彼の主張全てが正しいとは限らないが、全てが嘘だとも思えない)。スノーデンが主張するようにNSAの監視システムや、右派・石原慎太郎が国会で言及したアメリカによる日本への監視網を見逃して、中国の監視網を見逃さないのは明らかにおかしい。中国の非だけを認めて、西側の非を認めないのは明らかに不合理なのだ。

現に純が言うように、Twitchというアメリカ謹製のITサービスはアメリカ陸軍のリクルートに活用されていて、彼らへの批判を彼らの関わるチャンネルに書き込むと、しっかりと発言上のBANを喰らっている一般ユーザがいるのは事実、とゲムスパの記者は伝える。俺には、この事実すべてがフェイクだとは到底思えない。西側諸国彼らだって国益のためであればなんでもやる、というのが国家横断的な国益追求の原則である(そしてそれは現段階の国際情勢では明らかにしかたのないことだ)。

アメリカのことを批判して、中国のことを擁護するわけではないが、アメリカだって中国だって、もちろんプーチン政権下のロシアだって、熾烈な国益競争のために、もがき生き残ろうとしている。この現状にあるITの世界も含めた、「バランス・オブ・パワー」という事実を見逃すのは国際的な平和を考える上であってはならないことだ。不幸なことだが、ITセクターも国際競争の中にあり、どの国であっても次世代の経済的利権や国家的な情報利権にその力を利用しようとしているのだ。もう一度言おう。

無条件に中国のことを危険視して、ほぼほぼ同様のことを十二分している(また、してきた)アメリカのことを同盟国というだけで見逃すのは明らかに合理的ではないのだ。更に踏み込んで言えば、常識的な知識人である山形浩生が上述の書を訳したのにも…感覚的なものかもしれないが、理由はあるはずなのだ。