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「Hi-Octane」の系譜「Wipeout」から「Redout」まで

「Hi-Octane」の系譜「Wipeout」から「Redout」まで

伝説のイギリスゲームDevのブルフロッグが作った世界最強のレースゲーム、それが「Hi-Octane」だ。攻撃系のアグレッシブさ・独特の浮遊感覚とスピードの合わさったマイルドさは他のゲームでは味わえないものがある。俺もハイオクについては、”DOSゲー遊び”の一環として「リトルビッグアドベンチャー」とあわせて熱中したものだが、オンライン対戦があれば必ずハイオクのほう一択だっただろう。当時はネット環境が脆弱であまりにもコモディティとは程遠いものだったから、それだけ熱中度はなかった。もしネット環境があったら、当時オンラインというシステムがあったら…といまさらながら思う。

今、話題となっているこの手のゲームはやはり「Wipeout」とその精神的なサクセッサーの「Redout」だろうが、その始祖といっても過言ではないゲームがこのハイオクだった。コース上の武器やHP設定、ピットインの要素やブースト平面、いくつかの個性的なマシン…簡素な設定ながら完璧なゲームバランスは当時では考えられなかったほど。

そして時代はリアル系と「Wipeout」系の二流派に分派して今ではご存知のとおりリアル系の派閥が強くなっている。だが俺は後者のほうが好きだ。リアル系は挙動が練習しだいでうまくなるとは限らんが、いい意味での覚えゲーのワイプアウト系のSFアクションレースゲーのほうが上達は早い。手軽だし攻撃系の妨害要素とかブースティングの特殊能力とかがあるほうがずっとずっとアグレッシブで動的なレース体験がある。音楽の要素もでかい!頭がエレクトロニカと融合するような、テクノトランス系のゲーム音楽は他の体験を寄せ付けないほどニッチでコアでマッドネスだからだ。

さて、「Redout」は今後日本で発売されるかはわからんが(※加筆:2018年現在国内でローカライズの上流通しているようです)こちらも期待している。Wo系のSFアクション、F-Zeroにも影響受けて、作られた本家を超えるハイスピード感がある中、物まねではできないゲームセンスは確かにある。武器の取り扱いのルールやキャリアモードといった楽しみ方の多彩さ、準備段階でマシンカスタマイズできるマニアックな要素。やはり「Redout」はそれだけ”強い”タイトルだ。

現代からもうちょいさかのぼって過去を振り返ると、そんなスピードSFレースゲーの始祖を作ったブルフロの主流派は、投資会社などからは経営も開発も含めた何もかもが懸念されただろうが、そんなこと関係なく、アイデアセンスの優れたイノベーターであった。これは鮮烈に俺の記憶に残っている。このDevはその後欧米のレアやギアボやFPSDevなどに派生し、当時の主流に発散していったという経緯があるのだ。今の日本で言うコンパイルに近いものがあるわけだ。

このサイトを見てくれているゲーマなら知っているだろうけど、コンパイルは系譜として月姫とかギルギアとかその他もろもろに影響を与え続けている。新卒大量採用と人気タイトル「ぷよぷよ」頼みの経営で失敗したが、その精神性はゲームにエンターテインメントという主たる理由付けとしては素晴らしいものがあったゆえの”実績”がある。タイプムーンさんなんかもここに入っていて、ゲームを作るのになにも他の理由はいらないという思想は今でも業界精神に残っているのだ。

ベンチャーキャピタルなんかはこういったゲームのイノベーション心理に関してはいやいやするだろうが、本来であれば、販売本数ではなく、エンターテインメントを提供するのがゲームメーカの思想なはずである。それを忘れ「シリーズでこれこれこういうものが売れます」「何本売る予定です」なんていうことはゲームの本質を捉えていない―それは「経営学の話」だ。レース場を颯爽と駆け抜ける風矢のような流行センスがゲーム業界のすべてであり、この手のイノベーションのあり方の道筋を照らす唯一の光なのだ。それを「Wipeout」や「Redout」は受け継いでいる。だから彼らの作るゲームは突拍子もないが統一性もあって一貫している。VCとは価値観が共有できない確固たる理由がここにある…そう俺は考えている。