Steamゲーム井戸端会議「PC Building Simulator」 | ゲヲログ2.0

Steamゲーム井戸端会議「PC Building Simulator」


一介の学生Claudiu Kiss氏によって作られた本作は革命的であり、哲学的ですらある。
もともとこの手のリアル系ゲームのアイデアはなかったわけではない。だが、ゲーム内でそれをシミュレーションすることはできても、ゲーム内でリアルのシミュレーションを”緻密に”行うことは、FPSでいう「Arma3」も、また、レースゲーでいう「グランツーリスモ」でさえ、ほぼほぼその「本肝」をとることはなかった。

ゲーム内でリアルで使っているPCが組み立てられるということは、ゲーム内でリアルのシミュレーション性を追求するということだ。もちろん、シミュレートという形では、バスケの忠実な再現に取り組んだNBAシリーズなどもこの観点からリアルを追求してきたし、それは前述の通りArmaシリーズや数々のレースゲーでも同じだ。だが、その範疇を超えて、このシミュレーターは革命的すぎる。従来のリアルを追求したシミュレーターのブレイクスルーを起こしているからだ。リアル系シミュレーションといえども従来のブツはコアな部分でのリアルすぎる追求性はないし、レーシングゲームでもそれは同じだ。ハンコンや勃興しつつあるVRが登場したといえども…カーレーシングでF1を実際に操作できるような体感があるわけではない。Armaシリーズもやはり同じ(もちろん彼らのdevが作る軍隊向けのシミュレーション作品はレベル的に例外だが)。 この手のゲームですごいところっつのはそのリアルの追求性を求めた先に、再び、「徹底したリアリスティックの追求性が頑としてある」ということにゲーマに気づかせる点があるからだ。

我々はPCを操作してアプリケーションを起動してブラウザを起動していろいろと操作することで様々な、マクルーハンのいう「拡張性」を持つ。そして組み立てが本ゲーム(「PC Building Simulator」のことネ)ではゲーム内でほぼ完結してしまう。そして動作させベンチマークまで行える。このゲームはゲームというブツのくせにリアルに越境しリアルに影響しリアルを変える可能性がある。だからこのシミュレーションゲームは革命的だ。普通はリアリズムを追求してもそこでついえて、”追求性の枠”が閉まってしまうことが多い。前述したようにどのタイトルをとっても同じでありコア部分を先取することなかった。 だが「PC Building Simulator」は違う。壁を突き破るべくしていい着眼点でまずセグメントしてきた。それがPCの組み立てのシミュレーションだったというだけだが、このアイデアは素晴らしい。

今後ゲーム内ではPCのシミュレーションができるベンチマークができるようになるだろう。そしてシミュレーションゲームの枠を超えて、「ゲーム内ゲーム」という高等遊戯に発展する。従来こういった現象は物理学や物理化学でいう「デジタル物理学」という概念で知られている。いわゆるマトリックスの世界である。ヒューム的な哲学の発想、「次元の呪い」「パスカルの賭け」そして「ラプラスの悪魔」…。 そういう意味で本作は間違いなく「金の卵」どころか現代の革命ですらある。我々はこのゲームをプレイすることでゲームとしてそれを扱い遊ぶが、その実リアルに限りなく近いシミュレーションとしてそれをとりおこない、リアルという壁ですら突き破ってくる。あまりにゲーミングで体験できるものがコアでかつリアルすぎるので、事実リアルに影響し始めて、プレイヤーのリアルを変える。それどころかゲーム内で実在するPCパーツを取り扱えるようにして、宣伝効果も見込める…というように実際の現代の資本主義としての企業戦争、しかも世界を代表するPCパーツやベンチマーク関連会社などといった並居る、大企業にも影響し始めている。

今後、原案者であり大本のプログラマーである一介の学生、Kiss氏には、本作のシミュレーションゲームとしての売り上げ以外にも、宣伝効果の対価ライセンス料として、数百万ドル~数千万ドル単位を優に超えるマージンが落ちることはまず間違いないだろう。この数字は一見空想に思えるかもしれないが、皮肉にも現実的だと俺は思っている。

(本作「PC Building Simulator」は2018年3月28日リリース早期アクセス中であり、日本語ローカライズにも対応している…)