ヒットの理由は後付けだからこそできる不確実な世の中を象徴しているタイトル.
てかさ、そもそもこのゲームって超マイナーなブツだったわけよ。PvPのゲーム、しかもインディーの産物なんてうまく成功することそのものがめっちゃむずくて、ユーザ数なんてゴミ屑みたい数値しか残せないジャンル。当IP「Among Us」については、AUTOMATONに詳しいのでそれ+Steam Chartsにもふれ、ちょい拝借しながら箇条書きで状況説明してみる(AUTOMATON)。
・社員数3名のInnerSlothが開発、当初はヒットなど考えられもしないタイトル。
・2018/11の発売後、半年以上平均接続者数一桁台をキープする(Steam Charts)。
・2019/6に前比+800%超を記録、ようやっと平均接続者者数百数台にたどり着いた。
・低調な時期続くも2020/7に2000台到達、背景にインフルエンサーの役割があるか。
・そこから指数的に伸びていき、数万の接続を稼ぎ出すモンスタータイトルになった。
という奇跡に近い、つか奇跡的にヒットしたタイトルである。これはなぜだったのか?まずはその理由を考えよう。
AUTOMATONの記事でもふれられているとおり、やはり①”実況映え”という主要因があるだろうな。インフルエンサーが『何この面白げのゲームwww』って宣伝したのはでかい。有名なストリーマ経由で多数のゲーマが”流れてきた”。他にも、②デザイン面で優れていて、柔和かつシリアスさクールさも感じるようなキャラクターが魅力的であることも理由のうちの一つだろう(グッズ展開されるぐらい評価が高い)。あと、③人狼ゲームとの親和性が高い設計要素を持っていたこと・そのためのあるべきゲームデザインにおいて斬新さを忘れなかったこと(宇宙を舞台にテクノロジーベースの設定を敷いたことも間違いなく大きい)。この三つが大きなヒットのために活きた三軸だと思う。
俺も昔、ベンチャーキャピタルに話にいったことがあるけど、彼らうちの多くはこういったニッチなヒット作に対する理解力・なぜヒットできたのかわからないという不明確さに対する理解力が著しく低いひとが多かったのを覚えている。キャピタリストはいつなんどきどれだけ売れるかなんて聞くけど、コンセプトが正しくて、知名度がなくても、あるいは売り上げ予測なんぞなくても、ヒットするものは偶然ヒットするっていう論理がやっぱある。不確実性の中で売れるものをVCは見ていない。現に「Among Us」はそうだったタイトルだ。いつ何時売れ出すかという明確な理由は後付けで行われるものであって、先んじて予測できるもんじゃない。まずは実装・実装・実装でいけばよいだけであって、もっとVCはそのイイトコをかぎつけるべき。『実績がない』とかつまんないこと言わないほうがいいと思うよ、この事例を見る限り。
たぶん、Meta側からお声がかかったと思われるが(あくまで個人的憶測)、そのVR版がとうとう発表されて、Steamページもすでに作られている(Steam)。こちらは純正のVR版になっており、基礎設計を踏襲した、臨場感・恐怖感あふれるもになるようだ。人狼-VR親和性の観点からいっても間違いなく正しい路線だと思います… (‘ω’)
※なお、一時期報道された続編「Among Us 2」は、ファーストタイトル無印版(「Among Us」)の開発充実の方向性に打って変わり出たため、必要性なくなり、キャンセリングに至っているようです(IGN)。