業界牽引タイトル「Apex Legends」が降り立つ大地にEAの”盤石経営”は存在するか? | ゲヲログ2.0

業界牽引タイトル「Apex Legends」が降り立つ大地にEAの”盤石経営”は存在するか?

序『EAの”盤石経営”は存在するか?』

EAA!!がEAの経営リポートについてスライドベースのものを取りまとめている(EAA!!)。これは、いわゆる『会計年度2022年第3四半期』期間における同社の経営実態を公式発表したものであり、スライドベースで彼らのアピールポイント”盛り沢山さ”の状況を示している資料らし。以下はEAの稼ぎ頭「Apex Legends」(以降「Apex」と表記)について述べられた事項であり、次は、同社の他IPについて述べられたものである(いずれもEAA!!同ぺージより引用)。

・今期第3四半期の終了時点で集計した月間アクティブプレイヤー数は、前年比で30%以上増加

・2021年は2,800万人以上の新規プレイヤーを獲得

・ゲーム内アイテムの売上も前年比で著しく増加しており、会計年度2022年全体(3月末まで)では10億ドル(約1,147億円)が見込まれている

・2023年度には、モバイルゲームを成長の核とし、エーペックスモバイルなどで2桁成長を目指す

確かにEAがアピールするように客観的な数値で「Apex」は世界のゲーム市場における牽引タイトルのうち、ベストオブベストに類するタイトルであることは事実なようだ。とはいっても…ほかのタイトルのリワード(達成価値)はどうだろうか?

・エーペックス:ピンが立てられた回数3,220億回

・Sims:プレイ時間累計12億時間

・FIFA:ゴール223億回

・Star Wars:スコードロン:破壊された艦9億2,300万隻

・Madden:タッチダウン94億回

・UFC:プレイされたファイト4億9,300万回

( ー̀ὢー́ ) <う~む、たしかに他のIPの実績もすごい…

だけんども、さらに突っ込みたい。品質・内面から推察するにEAの置かれた状況はどうか?と。時価総額という客観的な数値と主観的なタイトル評価を見比べながら、さらにEAのライバルともいえる、ワーナーエンター・T2(テイクツー)とも比較しながら、ここでそれらを簡単に検証しよう。

比較と検証

なんだかんだいってEAの時価総額はとてつもなくでかい。現時点でブルームバーグのHPを見る限り、340億ドルを超えていて、これは日本円に換算すると4兆円を優に超える規模だ(Bloomberg)。ワーナーエンターでさえ、時価総額はたった24億ドルにすぎない [2]。その差10倍以上…で、ちなみに、T2は150億ドルぐらいで、EAの半分以下に収まっている [3]。ただし、ゲームの開発ポリシーとして一貫したものがあるか?という問いに一番答えているのがワーナーであり、時点でT2だろう。

残念ながら、「Apex」と「FIFA」頼みなのが今のEAというゲーム会社だ。強い体質の企業を目指すのであれば、長期的な視点に立ってIP・タイトルをそろえなければならないのはもちろんのこと。ワーナーにヒーロものが多数あり、今でも開発に念を入れすぎるほど念を入れて作りこんでいるのはかつてゲヲログ2.0でも伝えた次第。キャラものは受けない・駄作になるという悪いセオリーをワーナーは抱えたことがなく、かってのブリザードを連想させるぐらい品質の高いものを作ってくる。

T2だってワーナーに負けじと「GTA」を長期的な視野でもってして育てている。「RDR」の復活も目に新しいし、2K Sportsブランドが長らく凋落しているとは言えども、レスリングゲーム「WWE」などで復権の余地はある(ただし多くのファンが認めるよう「NBA 2K」IPは事実上の終焉を迎えてしまったが…)。また、同社には新作公認NFLタイトルも控える(gamebiz)。

長期的視野に基づく結論

さて、EAがこれらのIPに対抗できる新機軸を作れるか?というと、Respawn頼みで、肝心のDICEスタジオが「BF」の連荘リリース姿勢で負けが込んでいるのが実情だろう。唯一、安泰だと思えるのは「Apex」のスマホ向けバリアント「Apex Legends Mobile」に過ぎないといったところか。今後10年間…否、5年間のスパンでこれら三社のゲーム事業を長期的視野で俯瞰してみると、一番継続性のあるのがワーナーだろうし、次点でT2が続く。EAはあと5年10年経って、株価がまだ立派に立脚しているか?というとあたしは疑問符が付くと思う。もっともEAも良作野球ゲームIPで知られるMetalheadを買収するなど、いろいろ策は講じているようではあるが…

EAの開発姿勢は”凶”と出る…中長期的には、あたしはそう思ってる。

※画像:Steamより