『社会化』するゲーム | ゲヲログ2.0

『社会化』するゲーム

たしかに今回ageられた澤田記者によるゲムスパの記事は良い記事だ。澤田記者も同記事内で言うように、ゲームの発展の方法論として『社会化』という概念はあって良い。”ゲームはゲームだけで完結することがない”というニュアンスはNFTの導入議論も含め、しっかと討論すべきテーマだとあたしは思う。つまり、”ゲームがゲームだけで完結することなく”、我々人間社会の種々の”外縁”にある、あらゆるメメントとコネクトすべきだという論まで講じて読むと、この記事はかなり興味深い示唆を与えてくれる。澤田記者は記事中で、インドネシアという国のdevが発表した、「コーヒートーク」というADVゲームを引き合いに出して同国の内実、そしてその行く末を簡潔にまとめている。かいつまんでまとめると、こんな具合だ。

・ゲーム「コーヒートーク」はそのdevのHQのあるインドネシアの抱える問題と象徴を提示している。

・それらの問題とは、主として経済格差と宗教宗派対立や多民族社会、というものである。

・インドネシアの人々はそれら自国の抱える問題を『多様性の中の統一』というワードで象徴的方針を表現している。

これが記事内でふられた基盤となる部分の箇所である。まぁ、記事の中に粗がないわけでない。例えば…

・ゲーム開発とインドネシアの産業を結びつける(後半部の)ところに強引さがあるのでは?

という批判はあっていいとあたしは思う。ただし、(それがたとえあたしの誤解であろうがなかろうが…)大まかに言ってこの記事はかなり良く出来ている。インドネシアの産業担当系大臣の言葉にゲーム開発の内需型というセンテンスを見つけるのは、まことに同国の内情に詳しくないとできないことだし、多少そこに強引さがあったとしても、読み応えのある、ゲムスパらしさの出ている良い記事だ。かつてゲームは単なるエンターテインメントだと思われていた。だが、そこに夢や希望を乗っけて、社会性をコネクションさせる試みは強く出ていた面も随所にある。ちょっと例を挙げよう。

ゲヲログでも何度もfameやあたしが言及しているが、故飯野賢治は「風のリグレット」というゲームを制作したことがある。これは視覚障碍者向け(にも作られた)ゲームであり、飯野自身がそれを採点したファミ通編集部と強く対立するなど、実は日本のゲーム産業はかなり社会派のテーマを持っていたとあたしは思う。かの有名な「メタルギア」シリーズでさえ、反核や地域紛争・戦争の是非といったものをテーマにしたことがあるし、実写映像もゲーム内で使っていることはシリーズファンならば誰もが知っていることだろう。また、e-Sportsを巡って見ても同じく現実のスポーティな部分と結びつける様子まで見て取れる。

4Gamer.netの記事によると、この度サッカー元日本代表の大久保嘉人さんがe-Sports競技団体の経営者に招聘された、という。記事によれば、大久保さんは現実のサッカー競技とe-サッカー競技との関連性を紐解きながらこの招聘に快く答えた、とある(彼によるメッセージ原文は4Gamer.netの記事中にもはりつけの形で間接リリースされているので見てほしい)。たしかにこれが多少こじつけで、大久保さんの意思をそのまま表明したものとはあたしは個人的には思えない。だが、そこに『ゲームの社会性』というポテンシャルを見出した点では、ゲムスパの記事と同じくして、このニュースの傾向にも、もちろん大久保さんのメッセージにも大いに賛同する。

それがたとえゲーム内で完結していたとしても、特定のゲームの名シーンやEVOといった競技性にしばしば見受けられるよう、さまざまなキャラクターの個性と相対するように、宗教や民族といった垣根を超え、多くの人々と感動を共に味われる段階でゲームはゲームではなくなっている。実はゲームは”稀有な財産”なのだ。

たしかにゲームには批判も大きいものがあるし偏見もいまだにでかい。それも部分的に認めるし、そういったことを推挙する”大人の言動”がわからないわけではない。だが、ゲームというデジタル産業は、無形の財産であり、コンテンツを共有できるという意味では内実のある財産でもある。ゆえにゲームが成り立った段階で、実はゲームはゲームという枠を超えているはずだ。それが様々な問題の解決策に繋がることは、あたしとしては多くの大人も賛同すべき論理だと思う。

それは麻生太郎がそのようにかつて言ったようにね。

日本のコンピュータゲームの影響で東南アジアの若年層に日本語の学習者が倍増しており、彼らはJ-POPの椎名林檎や宇多田ヒカルを日本語で歌う。
食べ物や漫画も含め、それほど言葉は力を持ち、日本の文化として広まる。
(それには)…戦争を防ぐ効果もあり、さらには国家の安全や防衛にも繋がる。

Wikipediaより

アイキャッチ画像:公式 Press Kitより