VRゲーム「Virtual Hunter」に見るVR-FPSの可能性と問題点”足の非可読性”について | ゲヲログ2.0

VRゲーム「Virtual Hunter」に見るVR-FPSの可能性と問題点”足の非可読性”について

VR-FPSの中でも”移動の問題”を上手いところクリアーしている作品が出てきた。ゲームタイトル名は「Virtual Hunter」というもの。これは、狩猟FPSで一番の出来と呼ばれる「theHunter: Call of the Wild」をVR向けに最適化したようなタイトルで、あたしとしてはこのVR-FPSの着眼点はそこそこいい線を行っていると思う。ここで問題としている”移動の問題”というものについてちょっくら書いてみます。

既存のVRってのはね、”移動手段”に困るんですよ、非常に。というのも足の移動表現を手や頭のトラッキングガジェットでシミュレートするのはかなり難しい。足と手・頭では動きのメソッドって古典的に人間の形態学の観点から言って構造違っているんだよな。んで、omniとか新生のVRもあるけど、足までトラッキングするには面倒なことになりがち。限られた家の中・エリア指定した範囲内でそうそう実現できるもんじゃない。既存のVR-FPSはこういう問題を抱えていると思うよ。

例えば、秀作「Onward」とかシンプルなVR-FPSとして有名な「Pavlov VR」だとかの対戦系VR-FPSもそうだし、あるいはシングルもので傑作とされる「Half-Life: Alyx」でさえポイント指定移動っぽい手法がまさに”手に余る”面倒な手法になってて、いざ移動手段をトラッキングガジェットで表現しようとしても、利便性に欠けるわけよ。これほど古典的な我々の人間の手足の構造でさえ、同時にシミュレーション&アクションしていくってのが、現代の最先端の汎用技術でも難しいんだよな。

これを解決する方法はある。そもそもレールシューターにしてしまうってことがまずひとつ。「Pistol Whip」はそうなってるし、古くは「バーチャコップ」もしっかりとこれ地味に解決しているソリューションになってる(拙文『レールシューター』という問題児を参照のこと)。もうひとつはなんとか立位と座位をうまく使い分けながら、ごまかしてやるっていう事だと思う。この手段を 「Virtual Hunter」 ではうまく使っている。例えば、大局的なマッピングの工夫とか、そもそもこれハンティングゲームだから卑怯な手段ではないキャンピングがきっちりハントの目的内でできるってのもあるだろうな。設定性に優れていて、VRに最適な移動のアルゴリズムを実装できるってのがすごいいいところなんだよな。

ほかにもいろいろと工夫して解決することはできそうだ。例えば、「VTOL VR」みたいに移動手段を座位のコックピットに委ねちゃうってのがある。コックピットに座ったり、レーシングゲームみたいに運転室内で運転する乗り物の概念を持ち込むってのもいい案だよね。これならば座ったまま、文字通り座位のシミュレーションが必要なだけなんで、それで済んじゃう。ガッチリうまい具合には気づきにくいものだけど、VRの面倒な移動手段を回避するようにデプロイできている。VRゲームメーカはこういうところ気を付けてほしいよね。

実例見ていくとわかるけど、ここで問題なのは『人間の足で移動することを求めるFPS視点のゲーム』についてのことなわけだ。人間の足のアクションをトラッキングし、その移動アルゴリズムを入力に沿って再現するってのは難しいんだよ。これをどう解決できるか、そういう意味でVR-FPSのもうひとつの未来をどうブレイクスルーするかってのは(ガジェットの価格の問題も含めて)これから注目すべき点になるだろうなって思ったのよね。トラッキングしにくい足のほうはまだまだ拡張性(可読性)がぬるいっていうわけよ。つまりこれは足のアルゴリズムをコンピューター上で追っていくうちに非可読性に収束しちゃう(”足の非可読性”)。

一言で言えば『問題は手より足』なんだ。

※アイキャッチ画像はWikipediaより引用させていただきました。