ガンホー、動く。 | ゲヲログ2.0

ガンホー、動く。

「ラグナロク」シリーズのリブートによりとうとうガンホーが動いた。

もともと、主力製品が「ラグナロクオンライン(RO)」一辺倒だったのは否めない会社の印象が昔からのゲーマにとっては強いだろう。また、その正当な続編である2(RO2)がとん挫してから「ラグナロク」のIPを冠したシリーズはしばらく音沙汰なしだったこともゲーム業界界隈では有名だ。

ひょっこりと2019年に出てきたのが「ラグナロクマスターズ」というスマホ向けタイトルであり、さらに今回(2021年6月末)出てきたのが「ラグナロクオリジン」という同じスマホ向けのMMORPGだ。両作ともにROのエンドレスプレイ系MMORPGの伝統性を受け継ぎながらもデザインはポップな3Dになった点にて、RO2の技術を継いでいる印象はあるが、ガンホーの伝統的なタイトルの続編が正式にリリースされることは素直に歓迎したい。特に直近リリースされたばかりの後者は4gamerなどでも記者によるレビュー記事がついていて、要所を抑えたいい記事になっていると思う。ぜひ見てほしい。

ガンホー、”ROの大成功およびROシリーズの継承に大失敗した印象の強い”と前段で書いたが、実はこの間手をこまねいていたわけではないようだ。見るところ、任天堂Switch向けにかなり一時期話題になった「ニンジャラ」や、バズりまくって有名ソシャゲメーカとしての口火を切った「パズドラ」シリーズなどでも継続的に収益を上げてきた、比較的堅実な韓国系の会社だという見方があたしには根付いている。カプコンとのタイアップおよび共同制作で作り上げた「TEPPEN」もカード系特殊ル―ルのゲームが成功して、上手い具合に立ち回ってきたなあ…と、長いROの歴史の転換期に今いるのかと感慨深いものがある。

声優では緑川光がROの廃人プレイヤーだったり、あたしにとって植田嬢の名言『ネットがリアル・現実は出稼ぎ』を知るきっかけになったゲームだったりと、その世界観の広がり方が独特な中毒性を持っているゲームメーカだなという印象はいまだにある。かの有名な伝説の韓国devであるグラビティー社の認可のもと、同人タイトルとして不安定なスタンスを取らざるをえなかった「ラグナロクバトルオフライン」の存在も一ゲームフリークとして忘れられない。

実は暗黒期もあったと思う。コンシューマとRO以外のメインオンライン系タイトルにこだわり、迷作をけっこうな量送り出してきた時期もあるように思う。見る限りでは、2002年のROサービス開始に伴って急激に会社としてのパフォーマンスを挙げて、国内でゲーム事業はかなり順調なように思えたが、ふたを開けてみると2000年台中期~2010年台初期にわたり、かなり酷な時代もあったようだ。オンラインゲーム事業が振るわず、良作・傑作IPとは程遠いものがCS向け中心に多いようだ。ちょっとガンホーの、彼らの株価推移を、今振り返って見てみよう。ゲーム事業が柱だからこれらのトレンドだけでもなにか見えてくるものがあるのかも知れない…

※キーワード検索「ガンホー 株価」 – Google 検索より

やはりバッチリと大方のとおり予想は当たっているw

2000年台初頭は良かった。ほぼ間違いなくROの影響だろう。その後RO2がとん挫し、暗黒期を迎え、ストックの評価は下がり映えだ。転機となったのは2013年ごろ。これまた間違いなく、パズドラのバズり具合とあまりにマッチしすぎている…奇妙なほど一致しているのだ。彼らの答えはソシャゲだったのだ。これは国内市場では間違っていない選択肢だ。たしかに欧米ではPC系のゲームが流行っているし、流通しまくっているが、日本での一般層のウケはやはり決定的に違う。それが批判や非難に値するか否かという問題ではない。彼らが生き残るすべを(少なくとも日本の株式市場に上場する企業として)ソシャゲに賭けたのは間違ってはいないのだ。日本でのメイン街道はやはりiPhone・Android向けの手軽なゲームだった。企業価値はその流行に乗った限り、結果的に跳ね上がったのだ。

たしかにこの流れでROを継承して、スマホ向けにタイトル配信するのは納得のいく選択だと思う。メインタイトルの失速を取り戻そうという意欲は感じるし、そこはみんなが均等に評価できる点…。ただ、世界市場に乗るようなタイトル、別な言い方をしちゃえば、4gamerのコア層やSteamerにはあまり評価の出来る企業ではないかもしれない。ただ、外資を受け入れて復活する直前であるSNKのように、この流れそのものが、企業のやり方として悪い方向だとは思えない。ただし、そこからイノベーティブな刷新作をさらに造りこむのは、比較的Steam配信向けであるゲームを多く世に送り出してきた『SNKバージョン』ほど容易ではないだろう。

そういう意味で、ガンホーにかける思いは強いものもありながら、彼らという特殊な立ち位置のゲームメーカであるからこそ…多少心配な気がする(SNK再上場が韓国株式市場だったのもなにかワケがありそうだ)。