【シリーズリファインの流れを”TPS”という観点から読み解く】「デジボク地球防衛軍」Steam配信へ | ゲヲログ2.0

【シリーズリファインの流れを”TPS”という観点から読み解く】「デジボク地球防衛軍」Steam配信へ

思えば、サンドロットの「THE 地球防衛軍」シリーズは日本の目指すべきゲームの形のうちの一つだった。わざとステレオタイプを踏襲した熱い設定、緊張感皆無のシンプルなシステム、手の取りやすさを”盛った”Coopモード…どれをとっても、日本らしいゲームに仕上がり、その難易度・敷居の低さが世界中で賞賛されたシリーズだ。もともとSimpleシリーズブランドのもとで売られていたが、シリーズが進むにつれ、ブランドから脱却した経緯のある、”和ゲーの優等生”というべきゲームシリーズだ。

この度、Steam配信となるのは、D3パブリッシャーからPS4/Switch向けに既に2020年年末に発売されている「デジボク地球防衛軍」というもの。開発はサンドロットではなくユークスに交代し、設定を受け継いだうえで、リファインするというのだ。たしかに、シリーズ通じて設定、登場キャラ、敵デザインなど基盤はそっくりそのままである。むしろ、コンテンツそのもの、純粋な内容としては、これまでのシリーズのものを再利用しているだけである。では、どこが再解釈、つまりリファインされたのだろうか?

この「デジボク地球防衛軍」において、シリーズ通じての伝統だったコッテコテの3Dモデルは刷新される。つまり、このリファインが標榜するところは、グラフィックデザインの”ボクセル化”である。マイクラ風のボックスデザイン、いわばレゴライクのデザインになる…というフレコミだそうだ。その様子、トレイラーを見てみれば一発でわかるだろう。だが、”なんだこれだけか”と侮るべからず。ちょっとTPSのゲームシステムについて振り返りながらみてみよう。

やはり、TPSはある種簡潔さと照らし合わせる必要のあるゲームジャンルである。並み居るTPSの中でも、最高峰といえばやはり「Gears of War」シリーズだろう。一見硬派にみえる、このMSが誇る最強TPS-IPにおいてもTPSとしての勘所はおさえきっている。端的に言えば、TPSはいわば”サイエンスフィクション”であるべきなのである。各種タイアップや武装などのデザインの想像性、動きの軽快さ、奥深くも簡素にまとまったわかりやすいシステム…FPSと違い三人称視点ゆえの客観性と大局的デザインのポップさはある程度必要、そういうジャンルだ。この度のボクセル風TPSというリファインのありかたは、上手い具合にグラフィックを主として差し替え、ゲーム性は伝統を受け継ぐ、という基本方針を取ったものだと思われる。このように本タイトルにおいても…否、本タイトルだからこそ、TPSとしてあるべきそのポイントをおさえたシステムは評価が高いのだ。既存のコンシューマ機版のレビューを見てみればこれは一目瞭然だ。

既に発売されているコンシューマ機版でかなりの好評を得ていて、EDF隊員たち(家庭内)の戦闘意欲を、別な切り口であるカジュアルデザインに求めたという点が賞賛されているのが現状。PS4/Switch版は、辛口が居並ぶアマゾンレビューアーたちの間でもかなり高評価で、軒並み☆四個を獲得しており、Steam版にも期待がかかるといっていいだろう。レビュアーたちは、本家タイトルの別な立ち位置を模索した”デジボク”のゲームとしての存在感を認めている。EDFの良いところだけは取り入れ、更新すべき点だけをピックアップした、スピンオフ・リファイン作のお手本である…という評価が多いようだ。EDFはEDFらしくあるべきで、正直にそれに答えた秀作といっていい。

正式名称、この”デジボク”は、「ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍EARTH DEFENSE FORCE:WORLD BROTHERS」というタイトル名になっている。確かに、7,480円と値段は高めでCoop対応といえども、クロスプレイの域にはあまり期待できそうにない。発売時には20%オフになるとはいえ、ちょっと心配な値段設定であるが、あたし個人としては期待したいタイトルだ。Steam上でもEDFシリーズはかなり売れに売れているので、リファイン作もある程度は確実に売れるだろう。あとは、ネットワーク周りの設計がどうなるか、そのウケは良いかだ。Steamでバカ売れすれば、2021年発売予定の本家の”6”にもなんらかの動き、あるかもしれんな。

まぁ心配するだけ無駄なタイトルだが、「Cube World」みたいなものにはならんことを(勝手に)祈る…🤔

※アイキャッチ画像:英語版EDFツイッターアカウントより