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なぜ中華製ゲームには名作が多いのか?

なぜ中華製ゲームには名作が多いのか?

Steamで中華製ゲームが元気だ。台湾産のゲームだけかと思ったら、中国のデヴェロッパに至るまで、新規参入が止まらない。特殊なシミュレーションゲームである「太吾絵巻 The Scroll Of Taiwu」を鏑矢に、ソウルライク「Neverinth」「古剣奇譚三(GuJian3)」と多くの優秀なゲームをあたしも日をたどるように見てきた。香港製はもちろんのこと、おそらく、中国本土のゲームも多いだろう。これらに限らず、どれも一癖も二癖もある、ひねりの効いた素晴らしいゲームばかりだ。なぜ民主化道半ばの中国本土でこれほど完成度の高いゲームが多く作られるのだろうか?答えはIT業という産業の根本モデルの特性にありそうだ。

そもそも、中国人はIT能力の面で、かねてより極めて優秀だ。ネットコア層を中心に、一般的に知られるようになりつつある「bilibili動画」に始まり(多角化しゲーム産業にも進出済)「テンセント」「アリババ」というような強力な資金力や規模を誇る、GAFAに匹敵するほどのIT企業が多くある(特に「テンセント」がゲーム産業にも強くかかわっているのは周知のとおり)。「WeChat」といった革新的ツールを作ったのも「テンセント」だし、5Gの根本技術を掘り当てたのも「ファーウェイ」だった。あたかも日本人は民族として情報技術の扱いがうまいといわれることがままあるが、それは誤解だろう。中国人も負けないほど強い技術のマネジメント能力を持っている。

日本人が開発・運営しているニコニコは凋落し、bilibiliの時代が始まってしまった。情報材の扱い特性を忘れて独走した結果、後塵を拝し、ビジネスとして最悪な事態を招いてしまった。つい最近まで、「Crusader Kings 2」など、中華MODがフォント差し替えに必須だったシミュレーションゲームが多かったのもSteamerの間であれば有名だろう。日本は既に根本的な意味ではIT分野で中国に後れを取っているのだ。その背景にあるのは、人材だけではない。あるとしたら、『金(カネ)とのエンゲージメント』だろう。

別な事例を挙げると…確かに医学とITとでは根本的に構成要素が違う。本庶佑も言うように、医学のような分野で中国が世界一を目指すのであれば、自由な風土や民主的な風紀は必須かもしれない(つまり彼はカネの力だけで医学分野で萌芽が見て取れるはずがないと主張している)。だが、IT産業はまったく違う。数年間投資しただけでリターンが得られるITは市場としては有望であり、新規参入の敷居も格段に低い。なんでも世界一を目指す中国本土の戦略もうまく効いている。教育機関の力の入れようもすごいのは、北京大学の卒業生がMSに入社する事態が現実化している面を見れば、ごく自然とわかることだ。

日本のゲーム制作のスキルは、確かにかっては世界一だった。FF・ドラクエ・マリオ…どれも魅力的なコンテンツで、それはまさに民主主義的な「自由」を重んずる風土から輩出された偉大な”先輩格”だった。だが、それはもう”過去の話”だ。制作クオリティでよりフリーダムにゲーム産業に接してきた欧米勢は日本を追い越し、Xbox勢力をはじめとしてEA/Valve/UBIといったメガ級のゲーム企業が数多くできた。その間、日本のゲーム産業は凋落を極め、長い不況に陥っている。最近になりちょっと盛り返したものの、このままいけば、中国に追い抜かれるのは間違いないだろう。

中華ゲームが有望なのは…

・中華圏で人材が豊富でITマネジメントにかなり長けていること
・豊富な資金力を元手にゲーム産業分野にも力を入れていること
・なんでも世界一を目指す中国本土の体制的国家支援があること

この三点が強い。だが、『同じエンターテインメントでも、ゲームでは強くて、アニメーションや漫画の分野で弱い』のはなぜだろうか?ひとつ考えられるのは、ある程度”模倣”で済むゲーム産業と違い、国家の文化背景がアニメーションや漫画には求められるということだろう。ただ、これではしっかりとした”答え”にはなっていない…あたしはこの疑問に正確に答えられる評論家は文化論を論じる識者を含めても、そうそういないだろうとみている(もちろんこの最後の問いについてはあたしも正当かつ立派な理由を探る見当すらつかない…)。