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「Cyberpunk 2077」は”リトルビッグアドベンチャーの壁”をブレイクスルーできるか?

「Cyberpunk 2077」は”リトルビッグアドベンチャーの壁”をブレイクスルーできるか?

サイパン2077が12/10、とうとう発売された。そのSteam上の評価を見ていると、「ほぼ好評」とあって、ゲーム内容は良いにしろ悪しきにしろ、多種多様な意見が混じっているのが見受けられる。問題点は、システム上の不具合が多い・バグが多いというものだが、それを除いても、少なくとも日本語レビューを見ている限りでは、酷評も納得いくものを書いているのもまま見受けられる。サイパン2077は超期待されているゲーム、今年終わりの最強のコンテンツになる予定だったが、その”出発”は、ゲーマたちの期待に対してあまりよくないようだ。

『なぜサイパン2077はうまくいきそうでうまくいかないのだろうか?』

これはゲームの限界性とかなり近しい位置にある問題だ。オープンワールドというシステムを採用した今作だが、それはアイソメトリックのリトルビッグアドベンチャーより複雑で、ウィッチャーシリーズよりも難解で、Gears 5よりも精巧に出来ているものだとみな曲解していた。人間がメディアに接するとき、身体を拡張していると、マクルーハンはかつて述べ、メディア論の大家になった。ゲームはたしかにあたしたちの意識を展開し、その頭の中の想像力を限界まで引き上げてきた。

もともとボドゲから始まり、「Pong!」のような最初期のゲームに実装された歴史があるデジタルゲームは、その時点で進化がある程度見こされて、順調に発展してきたように思える。マクルーハン的にいえば、拡張メディアは我々のデバイスを格段に引き上げたように思えるが、それは拡張の限界も定義してしまった。我々は自由という翼を得たが、自由という鎖を同時に得てしまったのである。オープンワールドがなぜここまで難しいか?その根幹となる理由がここにある。キーとなる言葉はいくつかある。

・世界観の作りこみ

視認できる範囲で世界観を作りこむことはいかに難しいことか。雰囲気が重要だし、世界観のセッティングが肝になる。ウィッチャーシリーズの場合、中世という具現的な世界観があった。SFを舞台とした今作にそれがあるだろうか?SFゆえに曖昧になりすぎないだろうか?そもそもサイバーパンクっていうSFのご立派なジャンルをゲームにうまく転換できるか?

・操作系の発展性/ハードウェアの越えられない壁

キーボードとマウスあるいはゲームパッド。これぐらい。あとゲームによっては、アケコン・ホイールコントローラやフライティングスティック、ニッチなところでは、ツインスティック。あと可能性が残されたのはVR・AR・MR機器だけだ。この点でも限界がすでに見えている。ハードウェアとしても家庭用のスパコンなどが汎神論的にあるわけじゃない。実装できる範囲内でしか実装できない(当たり前のことだが)。

・絶妙なゲームバランス

オープンワールドを実装する以上は主体的に自由度がプレイヤーに与えらえていることが重要だ。プレイヤーにできることを多く振り当てるが、その反面やっていて面白い・クリアすることがゲーミフィケーション的に正しくて、妥当で、王道いけるか?このバランス感覚を磨くのはとてつもなく難しい作業だっただろう。人間が日々クエストをクリアしていくように、ゲーミフィケーションとして設定された目標を、疑似的にゲーム内で扱えたのか?という疑問点はどうしても残る。

オープンワールドは自由と非自由度の拮抗が普通のゲームよりもっと効果あるものになる。自由と非自由の双方のダイナミズムを組み入れた、次の力学図を見てほしい。

The Dynamics of Freedom model

我々は自由度を与えられ、同時に非自由度が与えられている。自由と非自由の境で我々はゲーム(あるいはそれらしきゲーミフィケーションの世界)を楽しむ。これが自由の力学図である。では、オープンワールドではどうなるのだろうか?

The Dynamics of Augmented Freedom model

オープンワールド下における力学図はかなりうって変わる。自由の力が強まり、自由の領域が強まる(この特利部分をゲインとしている)。非自由の反力は弱まり、制約された自由の領域が縮小される。これが”拡張的”自由の力学図である。プレイヤーの自由領域は広まり、同時に非自由的領域は縮小する。”揺らぎ”の中でプレイヤーはゲームバランスにおける不信感を強める。このモデルはサーニー・メソッドのように東洋のphilosophyの多大な影響を受けていることをあたし自身認める。

このモデルに沿って結論から言えば…リトルビッグアドベンチャーの場合だと、ゲームのバランスはハード・ソフトの限界上うまく成り立っていた。Gears 5はこれを捻じ曲げてしまったため、シングルプレイヤー部のシステムは破綻した。ウィッチャーシリーズは、背後関係にうまく別の劇場を土台に据えたため、かなり成功したのだ。

さて、「CyberPunk 2077」がこの難題に答えられるだろうか?”模範回答”は数か月後にパッチがかなり当たった時点で明らかになるのはひとつ間違いないことだろう。

※アイキャッチ画像は『サイバーパンク2077』GeForce RTX 30 シリーズ トレーラー: 4K、Ultra 設定、RTX ON!- NVIDIAより引用させていただいた。