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【ゲヲログ傑作劇場】「がっこうぐらし (12巻 最終巻)」漫画レビュー 明日の空から

【ゲヲログ傑作劇場】「がっこうぐらし (12巻 最終巻)」漫画レビュー 明日の空から

がっこうぐらし! 12 (まんがタイムKR フォワードコミックス)

登場人物の生死はよくわからなくなってます。ですが、結論から言って”ハッピーエンド”ということです。話の本筋にはあまりふれませんが、やはり”ゆきの決断”がすべてに委ねられた…ということですね。ランダル内部も一枚岩ではなく、核による除去に反対する正当派勢力が強硬派に勝ち、最悪の事態は免れた…そういうことで終わってます。

この漫画ってのはすごく評論家の題材になりやすい。伏線らしき伏線ってのは実はないです。イメージに、”女学生少女たち”と”ゾンビもの”を結びつけ、原案しっかりとしたものに、作画者がさらにきちっとした漫画の描き方で統一感をかなり高いレベルで結びつけたということがよくわかります。たしかに冒頭述べたようにランダルとか、学園・大学内での闘争とか設定要素も多くありますが、それ以前にイデアルな題材こそがこの漫画のすべてですね。

ライターの前田久は座談会の中で、第1話の感想として「コンセプトの段階でひねりが利いており、ヒューマンドラマとしても『日常もの萌え美少女』としてもよくできていて、重層的な作品に仕上がっている」としている。座談会に同席していた評論家の藤津亮太も前田と同意見だが、最後に実写映像を持ってくるなど「頭の良い」方向に進むことを望まず、ゾンビの出てこないスピンオフ作品を出すなどキャラクターに重きを置いた別作品が出てきてもよいのではないかと話している。Wikipediaより

おそらくこの漫画の解釈のうちですべてが私と同じ意見であるのは、前田さんのそれだと思います。曰く「コンセプトの段階でよく出来ている+人間ドラマとしての(ギャップがあって)工夫がある」メインストリームとしての評論はこれに尽きる。はっきりいって、物語の内容としては、作画者である千葉サドル先生がすごく有能であるがために成り立っている&海法先生の着眼点に称賛すべきものがあるだけ。あとはあんまり内容はありません。

例えば、「寄生獣」(加藤典洋評するに”戦後文学も含むトップ10の枠に入る”)のような倫理の提起だとか、内容が提起するすごい具体性のある現実/哲学感みたいのは「がっこうぐらし」にはありませんし、その点で「寄生獣」と比べる余地もないと思います。ですが、その”発想”にこそすごさがある。そこにある種の商品としての娯楽性をつなぎとめた。そういう漫画だということに尽きます。

ですが、やはり人間感としての女学生たちのありかたってのはしっかりと、しめるべきところでしめて終わってる、曖昧にして問題提起をするのでなく、感情の直線的なところに終着点を持ってきたんです。それがゆきの人生の半分でした…物語の最後、だからこそ、ゆきは言います。

「ねぇ めぐねぇ、わたし ここまで来れたよ」

最後の最後に人間の生命のありかたを単純に、説得力のあるシンプルさでそれをゆきに語らせる…人間らしさ溢れるすごく重要な気持ちの持ち方を、ゆきはかつての自分の恩師であるめぐねぇとの思い出に重ね、この漫画は終焉を迎える。その終焉から、めぐねぇのような”学校の先生になったゆき”がかつての思いを未来へとつないだところでほんまのエンド。このシンプルな美しさにすべてがつまっている…だから本作はその点だけで感動的です。

単純ながら、このような漫画がメタ現代の世界で出てきたことは称賛に値するのでないでしょうか。ここからゆきのもう半分の「がっこうぐらし」は、彼女の青空教室のもとで始まるんですね…!


【~綾野の解釈~】
学校ってやっぱ勉強だけじゃないはずなんですよ。というのは義務教育だろうが、高等教育だろうが、”自己責任”だとはあたしにはど~しても思えない。やはり背後関係がこの漫画の登場人物みたいにあって、様々なエレメントが交わってこそ学校なんすよ。

そして教養と生きるための力をホンマに身につけるためにこそ学校ってあるんすよ。んで、机上の勉強はしただけその分だけきっちり選択肢は増える。だけれども机上の空論だけじゃないっす。仲間と力を寄せ合ったり、過酷な環境を打ち砕いたりできる力をやっぱ持ってこそだと思うんよね。

その究極が、ゆきが言うような『平和』な日常であるべきですよね…あたし思うに、大人の身勝手に振り回される点を描きつつも、それを大人への責任のなすりつけで描かれたわけじゃないっていう点でこそ、ファメの言う「がっこうぐらし」は傑作ですね!ゆき曰く『悩み事を話し合ってすごいことを考えてそうして心を繋げたら世界だって救っちゃえるんですよ』か…

子はいずれ大人になり責任を持ち次に託す。ゆきがそうであるようにね。
※出展-「がっこうぐらし」第12巻より-

※この企画【ゲヲログ傑作劇場】は、バーチャルネットアイドル綾野純がファメによる過去記事を微修正しながら復刻、過去記事の中でもより良くできた記事のみをトップに再掲するという企画です(しばらく続く予定…)。