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書評「彼女、お借りします」

書評「彼女、お借りします」

たしかにアイデアは斬新で、着眼点に優れている。普通、彼女代行サービスなんてものを漫画にするひといないだろうけど、あえて宮島はそうした。設定に注目せざるをえない題材を割り当て、その特殊な領域で生きる人間たちの、いかにも漫画らしいコミカルな多様性が、本シリーズでは幅広く展開されている。ビジュアル面で優れている女性の登場人物を多く登場させている点もいかにもマガジンらしい。そして、人間の生きざまのシビアな部分を人生の巧拙と合わせ描いている点こそがすごいと思う。人間の躍動感と魅力的なキャラクター性をコネクションさせているのが成功の最大の要因だ。ハーレムものだが現実離ればかりしていない。だいたいの評価はこれに尽きる。

一方で、批判できない点がないこともない。ご都合主義的すぎる点は散見されるし、登場人物が新たに出てくるところも突拍子であることもまま。あと、漫画の主軸、ノリが変わっているっていうのは(仕方がない面あるが)批判できると思う。つまるところ、ラブコメなのにふと思ったらまったくそうではないところが多く見つかり、その点で評価が割れている。最初は、彼女代行サービスが主立ったギャグパートとなり、そこが笑えるポイントになっているのに、それがうって変わってしまい、一転、ナーバスすぎてかつ、ストーリーラインでうねるような蛇足が多すぎるっていう点、たしかにある。そここそが弱点…。

だが、例えば、12巻では一貫して完成度が高い話数が何回も続き、この巻全編で巨大なストーリー・人間模様そのままになっている点はかなり評価できる。はっきり言っておくけど、あたしは感動した。だが、この後の巻では迷走を続けていると表現できないこともない。主人公と千鶴の間に他人が割り込みすぎだし、この後どこに物語の終着点をもってくるのだろうか?という疑問符も付く。この展開で、最後の最後にどうなるのか?それが見えてこない気がしているのはあたしだけでなく、尼レビューにも同じ意見、多くある。批判できる点と評価できる点で分断されすぎている。だから安定感に欠け、毎巻毎巻がきまって面白いわけではない。

ただ、まずは12巻を買ってみてほしい。この巻には世代を超えた人間模様が詰まっていて、あまたの感動・あまたの人間の多様かつ尊厳ある価値観がやはりキチッとある。実は、第1巻は無料で尼でみれるらしいので、これを見た後、12巻買って読んでみてほしい。一連の話は千鶴の夢、昔子供のころ誰かが抱いた夢、だれもが愛おしいと思ったかつていた世代~家族、そここそがこの話の原点になっているから。本作が今後、本当の意味でマガジンのブレイカーになるかどうかはこの12巻に、ヒントがすべてあるようにあたしは感じた。

ただ、ストーリーは酷評されようが、賞賛されようが、どう作るかは作者の表現の自由の範囲だ。もちろん酷評するのも、賞賛するのも、レビューアーの表現の自由の範囲なので、フリーダムに見ていきたい。あたしはしばらくはアニメ版を見て、今後レビューの機会があれば適宜判断したいと…興味半分で、そう感じてる次第だ。

とりあえず、”かねがね面白い”って言っておくよ。

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