電波系美少女バーチャルインターネッツアイドル文野純がメッタメタ遊んでメッタメタ考えて勉強するゲヲログ姉妹サイト...

メニュー⇒ ソフトウェア 思想評論 数学 書評 歴史 統計 雑感 馬鹿企画

【ナポレオンのクラウドファンディング】「ゲーミフィケーション」関連本(ゲイブ本)レビュー(その2)

【ナポレオンのクラウドファンディング】「ゲーミフィケーション」関連本(ゲイブ本)レビュー(その2)

本書に他のゲーミフィケーション本と全く異なる趣があるのは、本書に「深く考えついた末にある論理」があるからだ。たしかに最初のほうは修辞的に、「ナポレオンのクラウドファンディング」の「ゲーム性」を論じ、かなり文的に”飾ってある”。だが、あくまで導入部に「ナポレオンによる保存食の発明」について建前ただけであり(とはいっても文章のレベルがほかの日本人の同類書と比べて全く違うぐらい優れている表現になっている)、しかも、そこが本筋ではない。あくまで、意欲的に脳力を使いこなされた文章表現が数多くあり、しかも、どれもみな”工夫”が凝らされている。

此処で言う”工夫”している点は、ゲーミフィケーションについて、単なる思い付きだけではなく、深い論考が本書に多くあることに現れている。「これこれこういう論拠だからこうなんです」「こういうロジックがあるのでこうです」と自分なりの頭で考えた結果が表現されているので、他のゲーミフィケーション本と比べてみても、その内容はとても深い。他書のように事例集や白書みたいに「こういう事例があります」で終わってはいないのが素晴らしいところだ。

例を挙げると…まず、ゲーミフィケーションの歴史やありかたをまず振り返ってみることで、復習を促している節がある。例えば、歴史の面では先に挙げたナポレオンの事例やルーズベルトのような政治的行動経済学のようなありかたに触れている。また、”ありかた”のほうではしっかりと統計的データを示している。それが、「サービス継続利用率」である。ゲームは一過性のものにすぎないことが数値で示されているのだが…このあたりは統計的解釈としてわざと触れていない面もあるようで、”ゲーム”ジャンルのサービスでも継続利用率としてみるとかなり流行り廃りのペースはスピーディーなのが現実。そこを冷静に受け止めて、足払いしながらも、ゲームに費やされる時間の増加傾向や市場規模の爆発的拡大につながっていることを示すのは特筆すべき解釈だ(これだけでもまだ序章)。このように本書は図表の取り扱いがかねがね優れていて常識的だ(もっとそれが多ければより良いものになったはずだ)。

次に、ゲームに熱中させるデザイン事例(「ビジュエルド・ブリッツ」)についてゲイブたちは書く。どこに熱中させる工夫があり、どういう効果をもたらしているか?それを、ここまで詳細に追った著述はほかになかったように思う。さらに、日産リーフのゲーム的エコロジーインタフェースについても述べている。「どのようなスタンスでユーザにエンゲージするか?」ということを述べるわけだ。ユーザの身になって”適応させる”ことが求められている…と本書は主張する。「ファンがどこに熱中するかよく考えろ」ということ。これだけでもまだまだ二章までにすぎない。

ここから話は広がり、意思決定のタイミングや組織論・戦略論に及び、広範な話題にわざと読者に”振らせる”。一言で言ってしまえば、このあたりは「ユーザのニーズを考えて、考えて、考えぬいてから設計しろ」ということなんだが…さすがにゲーミフィケーション自体が広範すぎる定義付けであるので、中だるみ感は否めない。が、それでも熟読すべき重要な項目がこのように本書にはあふれている。

はっきり言って、ゲーミフィケーションを学ぶにあたってはゲイブのこの本以外いらないだろう。あとひとつだけ重要なことは…

『自分の事例(成功例)は自分の頭で考えてそこからひねり出せ!』

という至極常識的な提案が暗に示されているとあたしは感じた。確かに本書は優れている。しかしながら、それは提示されてきた(また、成功してきた)事例を物まねすればそれだけでいいわけではないことも、常々思い知らされるのだ。例えば、純粋なゲームの事例であってもリワードや報酬ゲインにあたってゲームのインタフェースにどういったものをあしらうか・反映させるか?それは本書を読んだだけでは全くと言っていいほど身につかない(あくまでヒントを提供しているにすぎないからだ)。

つまり、成功例は個性に合わせて自分(たち)で作れということだ。だからこそ、自分でWEB技術やPhotoshopなりIllustratorなりで作らなければ始まらないのだ。そういう意味では進歩的で創造的であるあたしたちの一生という「人生ゲーム」は(変な意味ではなく)ゲーミフィケーションとして捉えるとある種純粋に面白い。それを痛感させられた良書である。今しばらく手元に置きたいところ…である。

※先だってファメがイーロン・マスクについて述べ、「ちょっとかくか」って言ってたのは、この件らしいが…彼のことだからどうなるか(笑)。とりあえず、此処での書評欄は強化していく方針。あとナポレオンがなぜクラウドファンディングなん?って思うかもしれんけど、彼は”公募して”瓶詰食を間接的に発明したわけで、彼自身が直接発明したわけではない。あくまでフランス人料理人ニコラ・アペールが発明人なんである…。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする