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メディアと界面的に接するにあたり唯一の注意すべきこと

メディアと界面的に接するにあたり唯一の注意すべきこと

キャス・サンスティーン(Cass Sunstein)によればメディアと界面的に人々が接すると、その思想がひとつの部分に集約しまとまってしまい、より先鋭化する過激な思想に発展する可能性があるという。サンスティーンによればこの現象のことを集団極性化もしくは集団分極化(Group polarization)という。また、その先鋭化・過激思想化になるにあたり媒介するインターネット上の空間・場のことをサイバーカスケード(Cyber cascade)と呼ぶ。

サンスティーンの著書の中では「人種差別を討論しているさなかで過激なグループがまとまりを呈してしまいその考え方や言動が以前よりもより先鋭化する傾向にある」といった事例が紹介されていて、インターネットにおいてもその事例が頻繁に見受けられるという。彼は著書である「インターネットは民主主義の敵か」において、インターネットのウェブサイトのリンク傾向や過激思想のホームページの事例を挙げてこの集団分極化の論理の実例を挙げている。ポピュリズム政治が社会の表面に出現する大きな理由のうちのひとつともされる。

こういったカスケードの場は中央性のない分散型のインターネットネットワークの場において特に顕著であり「熟議の民主制」という議会制民主主義の基本原則の立場を根本から否定しかねない論理であったため、サンスティーンの同著は全米で賛否を巻き起こした。サンスティーンの事例は、なにも人種差別における実例だけではなく、ほかにもジェンダーなどありとあらゆる差異や差別につながる概念に適用できるものである。立法や経済・政治政策などにも適用できるためかなり広い範囲でこの問題が見受けられるということは、我々がメディアに接する機会が頻繁になっている現代社会において、ひとつの教養として知っておきたいといえるだろう。

我々がサイバーカスケードに対して対抗する措置として「デイリーミー(自分の新聞)」といったインターネット特有のフィルタリング機能をある程度排除したり、必ずしもインターネットという”クモなきクモの巣”にすべてをゆだねないことがある。意見のバランスを取りながら、より多様性のあるメディアと接する機会を多く設けることなどが対策として挙げられる。それ以前にそもそも、差別や差異を極性化してしまう分極化の存在自体に気づくことが必要である。こういった経緯からサンスティーンは現代のIT技術を根幹から支えるインターネットは、民主制の抱える諸問題の解決策・ソリューションの一種にはなりえない、夢想的なツールの活用にすぎないものだと結論している。

サンスティーン教授は複数のアメリカの名門大学を経て、ハーバード大学ロースクールで教鞭をとっている、法哲学・環境法・行動経済を専門にする、保守とリベラルな要素を併せ持つ法学者である。

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